大原薬品 抗悪性腫瘍酵素製剤・アーウィナーゼ筋注を発売 承認から6年半
公開日時 2023/06/15 04:49
大原薬品は6月14日、抗悪性腫瘍酵素製剤・アーウィナーゼ筋注10000(一般名:クリサンタスパーゼ)を発売した。同剤は2016年12月に承認されたが、当時、製造元における製造量不足により世界的に供給量が制限されていた。大原薬品は、計画的な製造量の改善が図られ、安定供給できる体制が整うまで薬価収載手続きと発売を見合わせていた。承認から6年半を要したが、発売に至った。
同剤の効能・効果は「急性白血病(慢性白血病の急性転化例を含む)、悪性リンパ腫。ただし、L‐アスパラギナーゼ製剤に過敏症を示した場合に限る」。薬価は10000単位1瓶、17万2931円。
同剤は非大腸菌由来のアスパラギナーゼ製剤で、厚労省の「医療上の必要性の高い未承認薬・適応外薬検討会議」からの開発要請品目。急性リンパ性白血病の最初の治療で用いる大腸菌由来アスパラギナーゼ製剤の投与後に、過敏症が生じた際に用いる第二選択薬との位置づけとなる。過敏症の既往歴のある患者に対して、海外では非大腸菌由来のアスパラキナーゼ製剤が標準的に用いられている。
中医協資料によると、市場予測は8年後のピーク時で販売金額7.3億円、投与患者数172人。