【MixOnline】パンくずリスト
【MixOnline】記事詳細

新薬11成分17品目が薬価収載 潰瘍性大腸炎治療薬・オンボーは6月21日発売予定

公開日時 2023/05/25 04:50
新薬11成分17品目が5月24日に薬価収載された。即日発売したのはフェニルケトン尿症治療薬・パリンジック皮下注(BioMarin Pharmaceutical Japan)のみ。大型化が期待されている潰瘍性大腸炎治療薬・オンボー(日本イーライリリー/持田製薬)は6月21日発売予定となっている。

オンボーは潰瘍性大腸炎の寛解導入療法に用いる点滴静注製剤と、維持療法に用いる皮下注製剤があり、皮下注製剤はピーク時売上が291億円と予想されている。

このほかにピーク時売上が100億円以上と予想されている製品の発売予定日は、真性多血症治療薬・ベスレミ皮下注(ファーマエッセンシアジャパン、ピーク時売上予想163億円)は「近日中」(ファーマエッセンシアジャパン広報部)、潰瘍性大腸炎の維持療法に用いるエンタイビオ皮下注(武田薬品、185億円)は「未定」(武田薬品広報部)としている。

薬価収載された新薬11成分の発売日(予定、未定含む)は次のとおり。カッコ内は成分名、製造販売元。

【5月24日発売】
パリンジック皮下注2.5mg、同皮下注10mg、同皮下注20mg(ペグバリアーゼ(遺伝子組換え)、BioMarin Pharmaceutical Japan)
薬効分類:399 他に分類されない代謝性医薬品(注射薬)
効能・効果:フェニルケトン尿症
薬価:
2.5mg0.5mL1筒 6万1606円
10mg0.5mL1筒 6万4155円
20mg1mL1筒 6万5468円(1日薬価:19万6404円)

フェニルケトン尿症(PKU) は、フェニルアラニン水酸化酵素遺伝子(PAH)の変異により血中のフェニルアラニン(Phe)濃度が高値を示す遺伝性疾患。本剤は、PAH の代替として血中Phe濃度の低下をもたらす。

【近日中に発売予定】
ベスレミ皮下注250μgシリンジ、同皮下注500μgシリンジ(ロペグインターフェロン アルファ-2b(遺伝子組換え)、ファーマエッセンシアジャパン)
薬効分類:429 その他の腫瘍用薬(注射薬)
効能・効果:真性多血症(既存治療が効果不十分又は不適当な場合に限る)
薬価:250μg0.5mL1筒 29万7259円
         500μg1mL1筒 56万5154円

長時間作用型モノペグ化プロリンインターフェロン。2週間に1回の皮下投与で用いる。

ファーマエッセンシアのコアテクノロジーである「部位選択的ペグ化技術」は、タンパク質分子内の特定のアミノ酸をポリエチレングリコール(PEG)という高分子化合物によって選択的に修飾できるようにした技術で、化学的に均一な「ペグ化タンパク質」の合成を可能にした。このペグ化によってタンパク質医薬の体内における分解が抑制され、半減期の延長と長時間にわたる効果の持続につながり得る薬物動態/薬力学的特性を示す。

【6月1日発売予定】
ドプテレット錠20mg(アバトロンボパグマレイン酸塩、Sobi)
薬効分類:339 その他の血液・体液用薬
効能・効果:待機的な観血的手技を予定している慢性肝疾患患者における血小板減少症の改善
薬価:20mg1錠 7106.60円(1日薬価:1万8733円)

トロンボポエチン(TPO)受容体作動薬。TPO受容体を介して、内因性TPOのシグナル伝達系の一部を活性化することにより、造血幹細胞の増殖並びに巨核球への分化及び成熟を促進し、その結果として血小板産生を促進する。旭化成ファーマと日本国内における独占販売契約を締結している。

アポハイドローション20%(オキシブチニン塩酸塩、久光製薬)
薬効分類125 発汗剤、止汗剤(外用薬)
効能・効果:原発性手掌多汗症
薬価:20%1g 545.80円(1日薬価:262.00円)

抗コリン作用によりエクリン汗腺からの発汗を抑制するムスカリン受容体拮抗薬。ローション剤(外用療法)であり、用法・用量は「1日1回、就寝前に適量を両手掌全体に塗布する」。原発性局所多汗症は、日常生活に支障を来すほどの大量の発汗が生じる疾患で、手のひらに生じる場合を原発性手掌多汗症という。

【6月上旬発売予定】
オファコルカプセル50mg(コール酸、レクメド)
薬効分類:399 他に分類されない代謝性医薬品
効能・効果:先天性胆汁酸代謝異常症
薬価:50mg1カプセル 1万2596.00円

先天性胆汁酸代謝異常症は、肝臓において胆汁酸の生合成を担う酵素の遺伝子が生まれた時から欠損している疾患。本剤は、胆汁酸の主成分であるコール酸を有効成分とし、酵素の欠損に起因して合成されないコール酸を外部から補充するもの。

【6月21日発売予定】
オンボー点滴静注300mg(ミリキズマブ(遺伝子組換え)、日本イーライリリー)
薬効分類:239 その他の消化器官用薬(注射薬)
効能・効果:中等症から重症の潰瘍性大腸炎の寛解導入療法(既存治療で効果不十分な場合に限る)
薬価:300mg15mL1瓶 19万2332円(1日薬価:6869円)

オンボー皮下注100mgオートインジェクター、同皮下注100mg シリンジ(ミリキズマブ(遺伝子組換え)、日本イーライリリー)
薬効分類:239 その他の消化器官用薬(注射薬)
効能・効果:中等症から重症の潰瘍性大腸炎の維持療法(既存治療で効果不十分な場合に限る)
薬価:100mg1mL1キット 12万6798円(1日薬価:9057円)
         100mg1mL1筒 12万6798円(1日薬価:9057円)

大腸粘膜の炎症に関与するサイトカインであるIL-23の p19 サブユニットを標的としたヒト化IgG4モノクローナル抗体。潰瘍性大腸炎の寛解導入療法に用いる点滴静注製剤は、ミリキズマブとして1回300mgを4週間隔で3回(初回、4週、8週)点滴静注して用いるが、12週時に効果不十分な場合はさらに1回300mgを4週間隔で3回(12週、16週、20週)投与することができる。維持療法中に効果が減弱した場合にも1回300mgを4週間隔で3回点滴静注できる。

潰瘍性大腸炎の維持療法に用いる皮下注製剤は、ミリキズマブ点滴静注製剤による導入療法4週後から、通常、成人にはミリキズマブとして1回200mgを4週間隔で皮下投与で用いるもの。

日本イーライリリーが製品供給を担当し、持田製薬が流通・販売および情報提供活動を行う。

【8月上旬発売予定】
ネキソブリッド外用ゲル5g(パイナップル茎搾汁精製物、科研製薬)
薬効分類:269 その他の外皮用薬(外用薬)。
効能・効果:深達性II度又はIII度熱傷における壊死組織の除去
薬価:5g1瓶(混合用ゲル付) 16万2995.90円

パイナップル茎由来のタンパク質分解酵素を有効成分とする外用の酵素製剤。入院が必要な重症熱傷を指す深達性II度又はIII度熱傷を対象とした外用薬で、用法・用量は「本剤を熱傷創に適量塗布し、4時間後に除去する」となる。熱傷部位に塗布して4時間後に除去することで、健常な組織を温存したまま、焼痂と呼ばれる壊死組織を選択的に簡便かつ速やかに除去できる。

【発売日未定(非開示含む)】
ヴィアレブ配合持続皮下注(ホスレボドパ/ホスカルビドパ水和物、アッヴィ)
薬効分類:116 抗パーキンソン剤(注射薬)
効能・効果:レボドパ含有製剤を含む既存の薬物療法で十分な効果が得られないパーキンソン病の症状の日内変動(wearing-off現象)の改善
薬価:10mL1瓶 1万3277円(1日薬価:9570円)

レボドパ/カルビドパの分子構造を改良したプロドラック溶液で、レボドパ含有製剤として初の皮下投与製剤。24時間持続皮下注入(CSCI)により投与することで血中濃度を一定に保ち、効果を持続させる特長がある。パーキンソン病では、疾患の進行に伴い脳内のドパミン濃度が不安定になり、経口のレボドパ/カルビドパ薬の頻回な服用が必要となる。一部の患者では1日平均10-11錠の経口投与により、患者や介護者の負担が大きくなっている。

エンタイビオ皮下注108mgペン、同皮下注108mgシリンジ(ベドリズマブ(遺伝子組換え)、武田薬品)
薬効分類:239 その他の消化器官用薬(注射薬)
効能・効果:中等症から重症の潰瘍性大腸炎の維持療法(既存治療で効果不十分な場合に限る)
薬価:108mg0.68mL1キット 6万9888円(1日薬価:4992円)
         108mg0.68mL1筒 6万9888円(1日薬価:4992円)

ヒト化抗ヒトα4β7インテグリンモノクローナル抗体製剤。潰瘍性大腸炎に対する用法・用量は、「通常、成人にはベドリズマブ(遺伝子組換え)として1回108mgを2週間隔で皮下注射する」となる。既承認のエンタイビオ点滴静注用の効能・効果は、▽中等症から重症の潰瘍性大腸炎の治療及び維持療法(既存治療で効果不十分な場合に限る)、▽中等症から重症の活動期クローン病の治療及び維持療法(同)――で、今回の皮下注製剤は潰瘍性大腸炎の維持療法のみの適応となる。

アトガム点滴静注液250mg(抗ヒト胸腺細胞ウマ免疫グロブリン、ファイザー)
薬効分類:639 その他の生物学的製剤(注射薬)
効能・効果:中等症以上の再生不良性貧血
薬価:250mg5mL1管 7万5467円

ヒト胸腺細胞で免疫されたウマの血漿から分離精製した免疫グロブリンG( IgG)。強力なT細胞抑制作用により、再生不良性貧血の病態を改善する。

コムレクス耳科用液1.5%(レボフロキサシン水和物、セオリアファーマ)
薬効分類132 耳鼻科用剤(外用薬)
効能・効果:〈適応菌種〉本剤に感性のブドウ球菌属、レンサ球菌属、肺炎球菌、モラクセラ(ブランハメラ)・カタラーリス、肺炎桿菌、エンテロバクター属、セラチア属、インフルエンザ菌、緑膿菌、アシネトバクター属――。〈適応症〉外耳炎、中耳炎
薬価:1.5%5mL1瓶 1584.50円(1日薬価:316.90円)

キノロン系抗菌薬。外耳炎や中耳炎に対し、点耳で用いる。用法・用量は、「通常、1回6~10滴を1日2回点耳する。点耳後は約10分間の耳浴を行う。なお、症状により適宜回数を増減する」。セオリアファーマは耳鼻咽喉科領域のスペシャリティ企業。
プリントCSS用

 

【MixOnline】コンテンツ注意書き
【MixOnline】関連ファイル
関連ファイル

関連するファイルはありません。

【MixOnline】キーワードバナー
【MixOnline】記事評価

この記事はいかがでしたか?

読者レビュー(3)

1 2 3 4 5
悪い 良い
プリント用ロゴ
【MixOnline】誘導記事

一緒に読みたい関連トピックス

記事はありません。
ボタン追加
バナー

広告

バナー(バーター枠)

広告

【MixOnline】アクセスランキングバナー
【MixOnline】ダウンロードランキングバナー
記事評価ランキングバナー