MICIN DCT普及で「準備委員会」発足、製薬7社、CRO3社、ITプロバイダー1社が賛同 産学官連携へ
公開日時 2023/04/27 04:51
MICINは4月26日、DCT(Decentralized Clinical Trial:分散型臨床試験)の日本での適切な普及を目指して産学官連携を推進する「準備委員会」を発足したと発表した。準備委員会には製薬企業、CRO、ITソリューションプロバイダーなど11社が参加を表明した。今後はDCTの実装に向けた政策提言を行うほか、DCT実例を創出・普及させるための活動を展開する。さらに、規制当局や医療機関等の有識者を招き、アジェンダの設定や運営形態の検討、関係省庁との連携構築などにも取り組む方針だ。
国際共同臨床試験の広がりとともに、DCTの導入が世界的に加速している。欧米はもちろん、中国や東アジア地域の国際共同研究にDCTが用いられることも多く、同社によると、臨床試験を実施する場所が試験実施病院の外へと広がることで、患者の試験参加の負担が下がり、患者中心(Patient Centric)の臨床試験の実施につながると期待している。
◎「この状況が続けばグローバル治験に参加できない」 ドラッグラグ拡大への懸念も
準備委員会には同社を除き11社が参加を表明した。内訳は、製薬企業7社、CRO3社、ITソリューションプロバイダー1社。同社によると、「本来DCTは、医療現場でのオペレーションの効率化による医薬品開発の早期化やコスト削減が見込まれるが、試験ごとにシステム導入をすることにより医療機関において同じ機能を持つ多種類のシステムが存在し、業務効率化が低下し結果としてDCTへの対応を遅らせる医療機関も見られる」と指摘。「この状況が続けば、グローバル治験に参加できず、海外と日本のドラッグラグが拡大することが懸念される」として、準備委員会を設立し、産学官連携を推進することに至ったと説明している。