ファイザー ジェノトロピンでプラダー・ウィリ症候群に係る効能追加を一変申請
公開日時 2023/04/26 04:50
ファイザーは4月25日、遺伝子組換え天然型ヒト成長ホルモン製剤のジェノトロピンゴーイック注用5.3mg/12mg及びジェノトロピンTC注用5.3mg/12mg(一般名:ソマトロピン(遺伝子組換え))について、「プラダー・ウィリ症候群における体組成異常の改善」の効能追加を一変申請したと発表した。
プラダー・ウィリ症候群は、肥満、糖尿病、低身長、性腺機能不全などの内分泌学的異常と、発達遅滞、筋緊張低下、特異な性格障害・行動異常などの神経学的異常を呈する症候群。15番染色体長腕q11-q13に位置する父由来で発現する遺伝子の働きが失われたことで発症すると考えられている。約1万5000人に1人が罹患すると推定される希少疾患で、国内に約1000人の患者がいると報告されている。
プラダー・ウィリ症候群の患者では、小児期から成人期にわたる一貫した成長ホルモン治療が生涯を通じた良好な体組成の維持に重要で、将来の合併症の予防や生命予後の改善に資することが広く認識されている。
今回の申請は、厚労省の医療上の必要性の高い未承認薬・適応外薬検討会議で当該効能・効果は医療上の必要性が高いと評価され、同省からの開発要請を受けて実施した国内第3相試験の結果などに基づく。同試験は、日本人プラダー・ウィリ症候群の成人および小児の患者を対象に、体組成改善におけるジェノトロピンの有効性および安全性を評価する第3相非盲検試験。治験参加者は年齢や前治療に応じ、成長ホルモン未治療小児コホート、成長ホルモン既治療小児(移行期)コホート、成人コホートの3つのいずれかに参加し、本申請には治験薬を12カ月間投与した際の成績を使用した。
ファイザーR&D社の石橋太郎社長は、「プラダー・ウィリ症候群の患者さんにおいて生涯を通じた成長ホルモン治療のニーズは高いものの、本邦では低身長を呈さないプラダー・ウィリ症候群のお子さんや、成人の患者さんが体組成異常に対して使用できる成長ホルモン製剤はない」と指摘。そして、「この新たな治療選択肢をお届けできるよう、承認取得に向けて関係者と引き続き協業していく」とコメントしている。