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【中医協薬価専門部会 12月16日 2023年度薬価改定・大臣合意 支払側・診療側委員の議事・発言要旨】

公開日時 2022/12/16 17:01
2023年度薬価改定の3大臣合意を受け、中医協薬価専門部会が12月16日に開催された。本誌はこの日の薬価専門部会の議事要旨を公開する。

中村部会長:ただいまより、第195回中央社会保険医療教育協議会薬価専門部会を開催いたします。議事に入る前に、医療課長の方から一言お願いいたします。

眞鍋医療課長:はい医療課長でございます。本日のこの開催にあたりまして背景をご説明します。本日午前中に令和5年度薬価改定についてということで、3大臣合意が行われました。そのスケジュール上、このような変則的な時間帯での開催となりましたことをお詫び申し上げます。この後、安川薬剤管理課より資料のご説明をさせていただきます。

中村部会長:ありがとうございました。それでは議事に入らせていただきます。本日は令和5年度薬価改定についてを議題といたします。事務局より資料が提示されておりますので、事務局より説明をお願いいたします。では、安川薬剤管理官お願いいたします。

安川薬剤管理官:薬剤管理官でございます。資料「薬-1」をご覧ください。薬価改定について骨子案ということで資料を準備しておりますまず。2ページ目、改定の対象範囲につきまして前回薬価部会で示している資料がございましたが、そこに新薬創出加算の対象品目を加えたものをつけております。

3ページ目こちらはその影響額に関して、これも同様に新薬創出加算の品目の影響を書いております。4ページ目これは前回の部会で示した論点。5ページ目、それがそれに対する主な意見をこのような形でまとめております。6ページ目、こちら先ほど医療課長から説明がありましたけれども、これまでの中医協の議論、あるいは薬価調査の結果を踏まえまして本日、内閣官房長官、財務大臣、厚生労働大臣の合意事項ということで令和5年度改定についてというものが合意されております。

改定の対象範囲については国民負担軽減の観点から、平均乖離率7.0%の0.625倍、乖離率4.375%を超える品目を対象とする。急激な原材料費の高騰、安定供給問題に対応するため、不採算品再算定について、臨時特例的に全品を対象に適用するとともに、イノベーションに配慮する観点から、新薬創出等加算の加算額を臨時特例的に増額し、従前の薬価と遜色ない水準とする対応を行うということで合意されております。

これを受けまして7ページ目でございます。薬価専門部会といたしましては令和5年薬価改定の骨子を取りまとめていただきたいと考えております。骨子案の構成を示しております。これ(資料)は前回の令和3年度改定の骨子に基づいて、こういった項目立てをしているところでございます。

具体的な項目どういった内容を記載するかを次のページ以降で示しています。8ページ目でございます。対象品目および改定方式ということで四角の囲みの中に骨子に記載する案ということで示しているものでございます。

「骨子の記載案」と書いておりますけども、実際に骨子をまとめる際には文章としてまとめることになりますので、表現ぶり等は多少変わることありますけどもこういった内容のことが盛り込まれるということでの案でございます。

まず改定の対象範囲については大臣合意を踏まえ、改定の対象範囲については、国民負担軽減の観点から平均乖離率7.0%の0.625倍、乖離率4.375%を超える品目を対象とする。改定方式、こちらは市場実勢価格加重平均値調整幅方式、調整幅2%により改定する。

令和3年度薬価改定において適用した新型コロナウイルス感染症特例0.8%のような薬価の一律の削減が幅の緩和を行わない。

続きまして9ページ目2ポツの適用する算定ルールでございます。まず、以下につきましては、基礎的医薬品、最低薬価、新薬創出等加算、後発品等の価格帯集約、こちらにつきましては令和3年度薬価改定と同様に適用するということで考えております。10ページ目、その他大臣合意を踏まえまして次の対応を臨時特例的に実施するということで二つ特例的な適用をまとめております。

まず一つ目、①不採算品再査定の特例的な適用でございます。急激な原材料費の高騰、安定供給問題に対応するため、急激な原材料費の高騰により不採算となっている全品目、具体的には不採算状況調査の1100品目につきまして不採算品再算定を実施して薬価の引き上げを行う。適用する不採算品再算定の算定ルールでございますけども、具体的なルールにつきましては下の参考に書いております。こちらの下線部でございますが内容としては、成分規格は同一類似薬がある場合は、その全てがこれに該当する場合に限ると、そういった旨の御制限を設けているところでございます。

ただ、昨今の事情で安定供給確保のため個別に対応する必要があることから、今回の改定に限って、特例的に制限は課さないということで考えております。またその際ですね、安定供給を製薬企業に求めるとともに、そのフォローアップを実施するということで対応できればと考えております。

次11ページ目、こちらは不採算の調査を行ったこれ前回の薬価専門部会で示している1100品目の資料でございます。12ページはその内訳でございます。

次に13ページ目でございます。大臣合意を踏まえた臨時特例的な実施の二つ目でございます。新薬創出等加算の特例的な適用でございます。新薬創出加算の対象となる医薬品であっても企業要件、乖離率によって薬価が引き下がる場合がございます。

大臣合意を踏まえましてイノベーションに配慮する観点から、新薬創出等加算の適用後、現行薬価との価格差の相当程度を特例的に今回加算して、従前の薬と遜色ない数字とするということを考えております。また、この上記の特例的な加算につきましては通常の加算と同様に取り扱い、その累積額を後発品の収載後等の薬価改定の際には控除するということで考えております。イメージということで図が書いておりますけども、グレーの矢印は通常の新薬創出等加算による加算でございますが、今回の特例的な適用につきましてはこの緑色の矢印、こちらを相当程度加算を加えることで先ほどの重点の薬価と遜色ない水準まで持っていくということで考えたところでございます。14ページはこの今のルールの参考資料でございます。15ページも同様でございます。

続きまして16ページ目でございます。適用する算定ルールでもう一つでございますけども、具体的には17ページ目に既収載品の算定ルールの一覧が従前の部会の資料通りで示しているとこでございますけども、様々なルールを一通り精査したところ、先ほど16ページに戻りますけども、このルールの一つである収載後の外国平均価格調整このルールにつきましては薬価収載時に参照できるが効果がないなど一定の要件を満たす品目について、薬価改定の際に1回に限り外国平均価格調整を行うものでございますが、今回の改定に関しまして参照することとしている外国価格、これは外国における実勢価と一定程度で連動するものでありますし、新薬に関しましては、為替変動の影響等を踏まえまして、先ほど新薬創出等加算の特例的対応を実施するという観点もございますので、今回の改定において実施可能として判断したということでこの適用を行うというものでございます。

続きまして18ページ目、最後でございます。その他ということで、これまでの内容が令和5年度の改定内容でございますけども、薬価制度部会の中では様々な新薬のイノベーションの観点とか、安定供給など薬価の課題もあったことから、今後以下のような対応を行うということでまとめております。

近年の革新的新薬に係る日本への導入状況や後発薬品を中心とした安定供給上の課題を踏まえ、これまでの薬価制度改革の検証も行いつつ、イノベーションの適切な評価のあり方、医薬品産業の構造改革を前提とした医療上の必要性の高い医薬品の安定供給を維持するための評価のあり方などについて「医薬品の迅速・安定供給実現に向けた総合対策に関する有識者検討会」での議論も踏まえて、令和6年度薬価制度改革に向けて検討を行うということで、次の令和6年度薬価改定の中でこういった議論を行うということも骨子の中に盛り込めればと考えているところでございます。

資料「薬-1」の参考1はこれに関する参考資料をつけております。あともう一つ「薬-1」の参考2でございますけども、こちらは医薬品の安定供給に対する対策ということでこれまで薬価専門部会の中でも安定供給に関する様々なご意見もありました。薬価だけの問題だけでない様々な課題もございますので、こういった安定供給に関してこれまでの対応と今後実施する追加対応、これは先ほどの薬価の中の不採算品再算定の対応も含めてございますけれども、こういった取り組みをまとめている資料でございます。資料の説明は以上とさせていただきます。

中村部会長:ありがとうございました。それではただいまの説明に関してご意見ご質問等ありましたらお願いいたします。では長島委員よろしくお願いいたします。

長島委員:ありがとうございます。これまで再三申し上げてきた通り、医療現場では物価高騰や医薬品の安定供給上の課題が日常診療に大変大きな負担を与えております。このような状況下において、前回の中間年薬価改定と同様の改定対象の範囲とされたことは非常に厳しい結果であると受け止めており、現在の安定供給に支障がある中で、医療現場に与える影響がさらに大きくなることを強く懸念しております。

一方、現下の厳しい状況を踏まえた緊急的、特例的対応として、医薬品の安定供給に向けた一定の対応がなされることはやむを得ない部分もあるのではないかと考えております。

ただ、これも再三再四申し上げてきた通り、今回の問題は企業の不適切な対応をきっかけとするものであることからすれば、安定供給が可能となる産業構造やビジネスモデルに再構築していく作業を並行して実施していくことが必須の前提になると考えております。

その上で、薬価上の対応をするのであれば、今現在、安定供給に支障が生じている品目を対象とするのが妥当であり、その他の政策上の対応がどのようになるのか明らかにすること。そして、今回講じる薬価上の対応により、どのように問題が改善されるのか。現場に説明できるよう、状況の監視が行えて、確実に患者さんへの不利益にならないような方策を明確にすることが必要であると考えます。

また薬価の引き上げがなされたからといって、安定供給に責任を持てない企業が参入してくるようなことがあっては本末転倒でありますので、そのあたりは国および製薬業界としても、供給の安定化に向けて責任ある対応をしていただくよう強く求めたいと思います。

次に、イノベーションの評価につきましては、本来中間年改定で対応すべきものではないと考えております。ただ、こちらもドラッグ・ラグへの懸念や物価高騰等により影響による懸念の声も鑑みた上での極めて例外的な対応であると受け止めております。今回、こうした極めて例外的な対応を行う以上、薬価上の問題を理由としたドラッグ・ラグやドラッグ・ロスが今後確実に解消されるよう先発医薬品メーカーには当事者としての対応を明らかにし、説明責任が果たされることを強く求めたいと思います。

さらに、現在の安定供給上の問題についてですが、医療現場の感覚としては一般的な処方内容の多くに不安定供給品が含まれてしまっているという印象です。

この問題解決のためには産業構造やビジネスモデルの転換が求められることからすれば根本的な解決には相当な時間がかかるものと予想され、その間、医療現場は処方に対して追加的な負担を担い続けることになります。この場は薬価専門部会ですので、これ以上は申し上げませんが、今回、安定供給への対応として、薬価上の対応が示されましたが、現場感覚としては、そうした対応だけでは到底不十分であり、供給体制全体に関するパッケージとして示されるべきと強く要望したいと考えます。

そして、18ページの3「その他」に記載されておりますように、今回の臨時的、特例的措置によって、安定供給やイノベーション推進の課題が解決するものではありません。そのため、今後の薬価制度改革の議論や、それ以外の場において、課題解決に向けてしっかりと対応すべきであります。また、その際には、医療現場に与える時影響も十分考慮して議論すべきと考えております。

最後に薬価の中間年改定は2年に一度の通常改定とは異なるものであり、今回の大臣合意や、本日提出された資料を見る限り、通常年の改定とは異なる位置づけであると認識しているところであります。私からは以上です。

中村部会長:長島委員ありがとうございます。次に有澤委員よろしくお願いいたします。

有澤委員:はい、ありがとうございます。今回示された骨子案について発言させていただきます。まず、改定の対象範囲が0.625倍を超える範囲となり、大変大きくなってしまったということは大変に残念であります。

特に薬局においては、調剤医療費に占める薬剤費が約7割から8割ほどあります。改定前に購入した備蓄医薬品の資産価値が薬価改定を境に減少してしまい、経営面に関する影響は甚大であります。しかも定時改定も含めて、毎年これが繰り返されるということは大変に大きな影響を与えます。

ただし、財政状況が厳しい中で適用するルールにおいて、不採算品はしっかりと供給を続けることができるよう薬価を引き上げる、あるいは新薬は新薬創出等加算の品目を薬価をできる限り維持する対応については一定の配慮がなされており、これについては一定程度の評価ができると考えます。

目下の供給問題については、薬価が当然関係していると思われますけども、薬価だけでは解決できない問題であります。しかしながら、薬価から手をつけていくということは大きな意味を持っていると思いますし、供給問題の根本的な解消は、令和6年度の薬価制度の抜本改革に向けて、医政局で行われている有識者検討会の意見も踏まえ、具体的な対応の方向づけを中医協において決定できるよう、引き続き議論していくものと考えます。

最後に一点確認になります。「薬-1」の⁠2ページ、3ページの改定対象となる品目数や改定の影響額が示されております。実際には改定対象となっても、基礎的医薬品などの制度によって薬価が維持されるものもあるはずです。また実際に薬価の引き上げ、あるいは薬価維持、あるいは薬価の引き下けとなる品目について、実際にどれくらいの規模となるのか、品目数や影響額について示していただくことは可能でしょうか?ぜひご検討いただければと思います。私からは以上です。

中村部会長:はい、ありがとうございます。この点について安川薬剤管理から何かありますでしょうか?

安川薬剤管理官:先ほどの確認事項についてです。2、3ページ目に示しているものについては、先ほど委員からありましたようにあくまで市場実勢価に沿って改定をしたという品目影響額でございます。

改定対象につきましては今回の0.625倍以上を対象にすることで全品目の中の69%、1万3400品目が対象となりますが、算定ルールによって薬価が維持されたり、引き上がる品目がございます。

ざっくり申し上げますと、まず薬価が引き上がる品目は、全体の6%程度、具体的に先ほどの不採算品の特例を行うということでございますけども、それによる1100品目が相当するというものでございます。

また薬価が維持されるものにつきましては全体の品目の46%、約9000品目でございます。また薬価引き下がるものは全体の48%、約9300品目でございます。こういった中に、新薬創出等加算も今回特例を設けますけども、新薬創出等加算は全体としては600品目程度でございますけども、その中の450品目が価格を維持、要は改定対象になっていないものを含めましてですけれども、薬価が維持される。また今回残りの150品目につきましては新薬創出等加算の特例によって、従前薬価と遜色ない数字になるといったような変化があるというものでございます。

また影響額に関しましては大臣合意の中ではまだこれから引き続き予算編成の過程で調整するものでございますので、影響額をどのように示すかというものは今後検討させていただければと考えております。以上でございます。

中村部会長:はいどうもありがとうございます。有澤委員よろしいでしょうか?

有澤委員:はい、ありがとうございます。

中村部会長:では、林委員よろしくお願いいたします。

林委員:はい、ありがとうございます。事務局におかれましては骨子案とりまとめありがとうございました。提示された案につきましては2号側委員と意見は同じでございます。

その上で今回の薬価改定は、医薬品の安定供給等の課題などに対応するため一定の措置が講じられるものであると理解しております。しかしながら薬価における対応だけでは必ずしも十分ではなく、医薬品の提供体制等も含めて対応していくべき課題と考えております。厚労省におかれましては、関係部署間の連携をしっかりと図っていただきながら必要な取り組みを行っていただき、医療現場や国民が混乱しないよう重ねて歯科からも要望いたします。よろしくお願いいたします。以上です。

中村部会長:はい、林委員どうもありがとうございます。では松本委員よろしくお願いいたします。

松本委員:はい、ありがとうございます。事務局におかれましては、骨子とりまとめご苦労様でした。まず大臣合意につきましてはこれまで中医協で議論した内容も踏まえて、政府としての判断があったものというふうに受けとめております。

本日事務局から示されました骨子案は、平成28年に決定された薬価制度の抜本改革の基本方針に沿いつつ、一方で現下の社会経済状況にも配慮した内容であり、総論として異論ございません。その上で3つのパートに分けてコメントいたします。

まず、対象品目および改定方式についてですけども、前回、実勢価格の対象範囲を0.5倍まで広げて、不採算品に対応する財源を作ってはどうかということを提案いたしましたが、以前から申し上げている0.625倍というベースは守られましたので、健保連としては、国民負担の抑制という最大の目的は果たされるものと考えております。

また、調整幅につきましては、なかなか議論が深まらず、今回は例年通りの2%となっておりますが、令和6年度の薬価制度改革に向けてどのような対応があり得るのか、今後ぜひ議論をさせていただきたいと思います。

前回の部会で専門委員から乖離率の縮小による影響は金額として大きいというご趣旨の発言がございました。まさに原材料費の高騰や欠品を踏まえて、市場実勢価格が形成されたのだと認めております。メーカーの仕切価との関係もあり、卸売事業者にとっては薬価差が縮小したから経営が改善するという単純な構造でないことは十分理解しておりますが、令和3年に実施したコロナ対応のような一律に薬価の引き下げを緩和する措置を講じないことは妥当な判断だと感じております。

次に適用する算定ルールにつきましては、健保連の主張とはかけ離れた内容であり、残念です。今後の薬価制度改革の中で毎年改定を前提とした全般的なルールのあり方について議論すべきと考えております。

また今回の臨時的かつ特例的な対応として、不採算品再算定の特例適用、新薬創出等加算の拡充を行うことについては、今回限りの措置ということで理解いたします。不採算品再算定につきましては、同一成分、同一規格の全てが不採算というルールを外すことはやむを得ませんが、原価の妥当性については厳しく精査すべきとお願いいたします。

新薬創出加算の確保については、研究開発の妥当性について研究開発の努力に応じて評価するという企業要件の趣旨を踏まえ、少なくとも三つの区分、階段は必要だと考えております。また、今回の措置により引き上げも含めて、実勢価格が猶予された部分につきましては、適切かつ公平なタイミングで返還をぜひお願いしたいと考えます。

収載後の外国平均価格調整につきましては、内外価格差を速やかに反映させるという趣旨で、ぜひ実施していただきたいと思っております。

その他でございますが、国民、患者の医薬品アクセスを確保する観点から、イノベーションの評価や安定供給の確保が極めて重要であることは十分に理解いたします。ただし、これまでも再三申し上げている通り、薬価制度で対応する部分はどこなのかを慎重に見極める必要があります。

特に安定供給につきましては、多くが後発品メーカーの法令違反を発端としており、業界の体質や産業構造そのものを改善する必要があるということは強く指摘させていただきます。令和6年度の薬価制度改革は議論すべき課題が従来より多いと思います。事務局には、改定間際に時間切れで消化不良とならないよう検討スケジュールを含めて工夫をお願いいたします。

最後に先ほど長島委員の方から薬価とパッケージで医療機関等への配慮をというご発言があったかと思いますが、これが診療報酬本体の引き上げを意味するのであれば、これについては明確に反対させていただきます。我々は診療報酬改定のある年であっても薬価引き下げの効果は国民に還元すべきと主張してまいりました。さらに診療報酬改定のない年の薬価改定は国民負担の軽減が最大の目的であり、国民生活のあらゆるところに物価高が影響している現状を鑑みれば、ただでさえ厳しい立場にある患者に負担増を強いるような対応は臨時的な措置だとしても、とるべきではないと考えます。後発品を中心とする医薬品の欠品による処方変更などの対応が必要になることは現実としてあると思いますが、普段使っているものと別の薬になることで患者さんも不安や戸惑いを感じているはずです。場合によってはより高い薬で負担増になることもあるということを強く指摘させていただきます。私からは以上になります。

中村部会長:松本委員どうもありがとうございます。では安藤委員よろしくお願いいたします。

安藤委員:はい。ありがとうございます。事務局におかれましては、骨子案の取りまとめについて感謝申し上げます。これまでの業界ヒアリングや薬価専門部会での議論を踏まえ、令和3年度薬価改定の前例を踏まえつつ、提示のルールに基づき、平均乖離率の0.625倍を超える品目を改定対象とすべきであり、その際の救済措置につきましては、緊急的、特例的な対応であることを前提に、薄く広く一律の対応を実施するのではなく、個別に精査を行った上で検討すべきであるというのが私の考えでございます。

これを踏まえまして、今回の骨子案につきましては総論として賛成したいと考えております。

その上で、現在、大変懸念していることは、今週も製品に異物が混入して、工場が製造停止となったケースが発生し、一部製品が限定出荷となるなど、医薬品の安定供給の問題は引き続き深刻であり、ますますこの問題が長期化することが予想されております。

骨子案にもある通り、令和6年度診療報酬改定においては、「医薬品の迅速・安定供給実現に向けた総合対策に関する有識者検討会」の議論も踏まえ、後発医薬品企業のビジネスビジネスモデル上の課題であるとか、新薬と後発品など取引条件や商品特性が異なる製品を全て同じ薬価改定ルールで扱うことの是非など、本質的な問題を議論し、医薬品の安定供給を巡る問題の根本的な解決に向けた議論を進めていければというふうに思っております。

事務局におかれましては、その点について特段のご配慮をお願いしたいと思います。以上です。

中村部会長:はい安藤委員どうもありがとうございました。他に何かございますでしょうか?ご意見ご質問も出尽くしたようですので本議題についてはここまでとさせていただきます。本日の議題は以上になります。ありがとうございました。

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