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ロキソプロフェン 重大な副作用に「急性汎発性発疹性膿疱症」を追記 添付文書改訂

公開日時 2022/10/13 04:49
厚生労働省医薬・生活衛生局は10月12日、ロキソプロフェンナトリウム水和物の「重大な副作用」の項に、「急性汎発性発疹性膿疱症」を追記する添付文書改訂を指示した。医療用医薬品の使用上の注意を改訂することから、ロキソプロフェンナトリウム水和物を含有する一般用医薬品の使用上の注意も改訂する。

急性汎発性発疹性膿疱症は、38℃以上の高熱とともに、急速に全身が赤くなったり、赤い斑点がみられ、さらにこの赤い部分に多数の小さな白っぽい膿みのようなぶつぶつ(小膿疱)が出現する病態のこと。血液検査値の異常も認められる。大部分は服薬した数日後に発症することが多く、原因医薬品の服用を中止すると、約2週間で発疹は軽快する。しかし、原因医薬品に気づかずに投与が続けられると高熱や皮ふの症状がなおらず、重篤な状態になる。

このほか、メトトレキサート製剤の「重大な副作用」の項に「進行性多巣性白質脳症」を追記することを指示。オプジーボ、ヤーボイ、キイトルーダの3製品については、「重大な副作用」の項に「ぶどう膜炎」を追記することを求めた。イトラコナゾールでは、「重要な基本的注意」の項の定期的な血中電解質検査に関する注意を、特定の使用条件に限らず実施する旨に変更するほか、「重大な副作用」の項に「低カリウム血症」を追記するよう指示した。

◎パルモディア 高度腎機能障害患者への投与が「禁忌」から「慎重投与」に変更

パルモディアについては、高度腎機能障害患者を対象とした試験(PALT02試験)の成績や製造販売後における横紋筋融解症に関連する有害事象の発現状況を踏まえ、「血清クレアチニン値が2.5mg/dL以上又はクレアチニンクリアランスが40mL/min未満の腎機能障害のある患者」(高度腎機能障害患者)に対する禁忌を削除し、「慎重投与」に変更することを指示した。

添付文書の改訂指示があった医薬品は次の通り(薬効分類順)。

ロキソニン錠60mg、同細粒10%等(ロキソプロフェンナトリウム水和物、第一三共等)
薬効分類:114 解熱鎮痛消炎剤

指示概要:「重大な副作用」の項に「急性汎発性発疹性膿疱症」を追記する。

直近3年間の国内症例の集積状況:同剤と急性汎発性発疹性膿疱症との因果関係が否定できない症例は3例。うち死亡との因果関係が否定できない症例は0例。

改訂理由:急性汎発性発疹性膿胞症の国内症例を評価した。専門委員の意見も聴取した結果、ロキソプロフェンナトリウム水和物と急性汎発性発疹性膿胞症との因果関係が否定できない国内症例が集積したことから、使用上の注意を改訂することが適切と判断した。

ロキソニンS、同Sクイック、同Sプラス、同Sプレミアム(ロキソプロフェンナトリウム水和物、第一三共ヘルスケア)ほか一般用医薬品
薬効分類:解熱鎮痛薬

指示概要:「相談すること」の項に「急性汎発性発疹性膿疱症」を追記する。

改訂理由:医療用医薬品の使用上の注意の改訂を行うことから、専門委員の意見も聴取した結果、一般用医薬品についても医療用医薬品と同様に使用上の注意を改訂することが適切と判断した。 

パルモディア錠0.1mg(ペマフィブラート、興和)
薬効分類:218 高脂血症用剤

指示概要:「血清クレアチニン値が2.5mg/dL以上又はクレアチニンクリアランスが40mL/min未満の腎機能障害のある患者」に対する禁忌を削除し、用法・用量に関連する使用上の注意、慎重投与及び重要な基本的注意の関連する記載を変更する。「薬物動態」の項に、高度腎機能障害患者を対象とした試験(PALT02試験)の成績を追記する。 

改訂理由:PALT02試験の成績及び製造販売後における横紋筋融解症に関連する有害事象の発現状況より、専門委員の意見も踏まえた検討の結果、改訂することが適切と判断した。

リウマトレックスカプセル2mg等(メトトレキサート(経口剤)(リウマチ性疾患の効能・効果を有する薬剤)、ファイザー等)
メソトレキセート錠2.5mg(メトトレキサート(経口剤)(悪性腫瘍の効能・効果を有する製剤)、ファイザー)
メソトレキセート点滴静注液200mg、同1000mg(メトトレキサート(点滴静注液、ファイザー)
注射用メソトレキセート5mg(メトトレキサート(注射用、5mg製剤)、ファイザー)
注射用メソトレキセート50mg(メトトレキサート(注射用、50mg製剤)、ファイザー)
薬効分類:399 他に分類されない代謝性医薬品
       422 代謝拮抗剤

指示概要:「重大な副作用」の項に「進行性多巣性白質脳症」を追記する。

直近3年間の症例の集積状況:進行性多巣性白質脳症との因果関係が否定できない症例は国内6例、海外6例。いずれも死亡との因果関係が否定できない症例は0例。

改訂理由:進行性多巣性白質脳症の国内及び海外症例を評価した。専門委員の意見も聴取した結果、メトトレキサートと進行性多巣性白質脳症との因果関係の否定できない国内及び海外症例が集積したことから、使用上の注意を改訂することが適切と判断した。

▽①オプジーボ点滴静注20mg、同100mg、同120mg、同240mg(ニボルマブ、小野薬品)
▽②ヤーボイ点滴静注液20mg、同50mg(イピリムマブ、ブリストル マイヤーズ スクイブ)
▽③キイトルーダ点滴静注100mg(ペムブロリズマブ、MSD)
薬効分類:429 その他の腫瘍用薬 

指示概要:①と②について、「重要な基本的注意」の項に、ぶどう膜炎があらわれることがあるので、眼の異常の有無を定期的に確認するとともに、眼の異常が認められた場合には、速やかに医療機関を受診するよう患者を指導する旨を追記する。①②③について、「重大な副作用」の項に「ぶどう膜炎」を追記する。

直近3年間の国内症例の集積状況:ぶどう膜炎との因果関係が否定できない症例は、オプジーボが11例、ヤーボイが7例、キイトルーダが1例。死亡との因果関係が否定できない症例はいずれも0例。

改訂理由:有害事象共通用語規準(CTCAE)Grade3以上のぶどう膜炎関連の国内症例を評価した。専門委員の意見も聴取した結果、ニボルマブ、イピリムマブ、ペムブロリズマブとぶどう膜炎との因果関係の否定できない国内症例が集積したことから、使用上の注意を改訂することが適切と判断した。

イトリゾールカプセル50等(イトラコナゾール、ヤンセンファーマ等)
イトリゾール内用液1%等(イトラコナゾール、ヤンセンファーマ等)
イトリゾール注1%[200mg](イトラコナゾール、ヤンセンファーマ)
薬効分類:629 その他の化学療法剤

指示概要:「重要な基本的注意」の項の定期的な血中電解質検査に関する注意を、特定の使用条件に限らず実施する旨に変更する。「重大な副作用」の項に「低カリウム血症」を追記する。

直近3年間の国内症例の集積状況:イトラコナゾールと低カリウム血症との因果関係が否定できない症例は1例。うち死亡との因果関係が否定できない症例は0例。

改訂理由:有害事象共通用語規準(CTCAE)Grade3以上の低カリウム血症関連の国内症例を評価した。専門委員の意見も聴取した結果、高用量又は長期継続使用に限らず、イトラコナゾールと低カリウム血症との因果関係が否定できない国内症例が集積したことから、使用上の注意を改訂することが適切と判断した。

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