”医師の使用感”想起ランキング トップはエンレスト 評価した医師が初の1万人突破 22年4月調査
公開日時 2022/07/27 04:52
実際に処方した「使用感評価」によって医師に想起された製品ランキングで、慢性心不全治療薬・エンレスト錠がトップに立った。インテージヘルスケア社が実施した2022年4月の医師調査結果によるもの。使用感評価によって同剤を想起した医師も、前回調査(22年1月)から約1700人増え、1万人を超えた。同剤は、MR活動などプッシュ型のプロモーション系チャネルで想起された製品ランキングで21年10月調査以降、トップを維持していた。臨床現場での使用経験がより蓄積されたことが使用感評価にもつながっているとみられる。MRの情報提供活動においても、処方患者像や医師の処方感を細やかに収集することが重要になりそうだ。
調査は、インテージヘルスケアが提供する医師約1万人を対象に情報チャネルごとの製品想起状況などをトラッキングする「SOC(=Share of Channels)」。SOCは、主に「MR活動」、「講演会(Web含む)」、自社サイトやサードパーティによる情報発信を指す「eマーケティング」で構成するプロモーション系チャネルによる製品想起と、主に「使用感評価」、「患者の声」、「学会ガイドライン」といったプッシュ型ではないノンプロモーション系チャネルでの製品想起状況が把握できる。
ミクスでは1月、4月、7月、10月のSOCデータを用いて、ミクスOnlineの会員向けに全国及びエリア別に、チャネル別の製品想起ランキングトップ10を公開している(
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◎ノンプロ系チャネルの製品想起ランキング 1位タケキャブ 2位エンレスト 3位ビラノア
4月のノンプロモーション系チャネルで想起された製品ランキングを見ると、1位は抗潰瘍薬・タケキャブ(想起医師数1万8800人(拡大推計、100人未満切捨て)、前回1月調査から約300人増)、2位はエンレスト(1万6900人、約1900人増)、3位は抗アレルギー薬・ビラノア(1万5500人、約4900人増)――だった。
タケキャブは19年4月調査以降、13期連続1位。情報チャネル別では「患者の声」で7400人(約700人増)、「使用感評価」で9000人(約300人減)に想起され、チャネル別の製品想起ランキングでそれぞれ2位だった。
エンレストは前回1月調査に続く2位だが、想起した医師をチャネル別に見ると、「使用感評価」での想起医師数が21年10月5000人→22年1月8400人→4月1万100人と、調査のたびに伸びていることと今回初めて1万人を突破したことが確認できた。「使用感評価」での製品想起ランキングは21年7月が14位、10月が4位、22年1月が2位、4月が1位――と、ランキングも上昇して今回トップにたった。なお、「患者の声」での製品想起ランキングは10位圏外、「学会ガイドライン」は2700人の2位だった。
◎ビラノア 「患者の声」が処方後押し
ビラノアは、前回1月調査は7位だった。想起医師をチャネル別に見ると今回、「患者の声」で9400人に想起されて1位にたち、「使用感評価」でも5000人に想起されて8位にランクインした。花粉症がピークを迎える中で、患者から医師に、有効性・安全性に係るやり取りやビラノア指名が多くあったと類推できる。次シーズンも「患者の声」が同剤の処方を後押ししそうだ。
なお、4月のノンプロモーション系チャネル合計による製品想起トップ10製品と推計想起医師数(100人未満切捨て)は以下の通り。
1位 タケキャブ 想起医師数1万8800人
2位 エンレスト 想起医師数1万6900人
3位 ビラノア
想起医師数1万5500人
4位 デエビゴ
想起医師数1万5000人
5位 フォシーガ 想起医師数1万3100人
6位 タリージェ 想起医師数1万2700人
7位 カロナール 想起医師数1万400人
8位 ネキシウム 想起医師数9900人
9位 サムスカ 想起医師数9400人
10位 ルパフィン 想起医師数8800人
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