日医工が事業再生ADR手続利用も含め経営再建を検討していることが5月12日、わかった。同社は一部報道を受け、「事業収益構造の改善と財政状態の安定化に向けて取引金融機関との協議を行っており、事業再生ADR手続利用も含め経営再建を検討していることは事実だが、現時点において具体的に決定した事実はない」とのリリースを発表。本誌取材に対し、「今後、開示すべき事実を決定した場合には、適時適切に公表する」としている。

同社の2022年３月期第３四半期の連結業績（21年４月１日～12月31日）においてコア営業利益で99億700万円、営業利益で153億3700万円の赤字となっている。日本市場では、富山第一工場がGMP違反で富山県から行政処分を受けた。出荷を順次再開させているが、品質チェックなどのため、一部で当初想定より出荷再開に時間を要しているものも発生している状況にある。薬価改定の引下げの影響もあり、セグメント損失は86億5700万円となっている。また、米国事業では米国の主要ジェネリック市場への相次ぐインド系企業の参入による価格圧力などの影響が大きく、セグメント損失は12億5000万円となっている。