J-TEC 安定期の白斑治療に用いる自家培養表皮「ACE02」を承認申請
公開日時 2022/04/28 04:48
帝人グループのジャパン・ティッシュ・エンジニアリング(J-TEC)は4月27日、メラノサイト(色素細胞)を保持した自家培養表皮「ACE02」(開発コード)について、再生医療等製品製造販売承認申請を行ったと発表した。同製品は、安定期の白斑(尋常性白斑またはまだら症)の治療を目的としたもの。
同製品は、患者本人の皮膚組織を採取し、分離した細胞を培養し、メラノサイトを保持したままシート状に形成して患者自身に使用する自家培養表皮。安定期の白斑の患部に対して、表皮層を薄く削った後に同製品を移植するとメラノサイトが供給され、色素が再生することによる白斑の治癒を目指す。同製品の移植は、既存の外科的治療に比べて、少ない面積の皮膚組織を用いて製造するため、患者への侵襲が少なく、かつ一度に広範囲の治療を行うことができる。
白斑は、皮膚に存在するメラノサイトが減少し、皮膚の色が白く抜ける疾患。なかでも、後天的にメラノサイトが破壊されて発症する尋常性白斑や、先天的な遺伝子異常により発症するまだら症に対する治療ニーズが高まっている。尋常性白斑の治療では、ステロイドなどの外用薬の塗布や紫外線照射などが一般的に行われている。これらが有効でない場合は、外科的手術が選択されるが、一度に広範囲を均一に治療することが難しいという課題がある。