第一三共 米国研究開発子会社プレキシコン、3月末で事業終了 エンハーツなど「3ADC」に投資集中
公開日時 2022/01/13 04:51
第一三共は1月12日、米国研究開発子会社のプレキシコン社の閉鎖を決定し、3月31日付で事業を終了すると発表した。各種がんを対象疾患とする抗HER2-ADCのトラスツズマブ デルクステカン(国内製品名:エンハーツ)、抗TROP2 ADCのダトポタマブ デルクステカン、抗HER3 ADCのパトリツマブ デルクステカン――の3つの抗体薬物複合体(以下、3ADC)に、「最大限の研究開発投資を行うため」だとしている。
第一三共は、現中期経営計画の中で、「3ADC最大化の実現」を戦略の一つに位置付けている。今回の研究開発体制の再編もこの一環となる。
プレキシコンは2001年に創業し、11年以降は第一三共子会社としてがんや神経領域の研究開発を行っていた。ADCの研究開発はしていなかった。プレキシコンの従業員約60人は3月末までに会社都合退職する。
プレキシコンの上市品には、悪性黒色腫に用いるBRAF阻害薬ゼルボラフ錠(一般名:ベムラフェニブ)や、腱滑膜巨細胞腫に用いるCSF-1R阻害薬Turalio(同ペキシダルチニブ)がある。なお、ゼルボラフは日本で中外製薬が製造販売している。プレキシコンの主な研究開発品にはペキシダルチニブや、進行性悪性腫瘍などで開発中のBET阻害薬・PLX2853(開発コード)がある。プレキシコンの主な上市品や研究開発品は第一三共グループに移管する方針。