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21-22年のインフルエンザ 9月の推計患者数は約180人、16年以降で最も少なく

公開日時 2021/11/04 04:52
インフルエンザは例年9月から流行するが、今年9月のインフルエンザの推計患者数は約180人と2016年以降で最も少ないことがわかった。コロナ禍による感染対策の徹底もあってインフルエンザが流行しなかった前シーズン(20‐21年シーズン)でも、20年9月の患者数は約500人いた。日本感染症学会は今シーズン(21-22年シーズン)にインフルエンザが大流行する可能性があると警鐘を鳴らしているが、9月時点では流行入りしていない状況だ。

これは調剤レセプトベースで実際の処方動向を把握・分析するインテージリアルワールド社(略称:IRW)のデータによるもの。「インフルエンザの推計患者数」は、抗インフルエンザ薬を処方された患者数(拡大推計値)のことで、分析対象の薬剤は院外調剤薬局で調剤可能なオセルタミビル、ザナミビル、ラニナミビル、バロキサビル――となる。

各年9月のインフルエンザの推計患者数は、16年は約9000人、17年は約2万人、18年は約1万人、流行入りが早かった19年は約8万8000人――だった。20年と21年の患者数が極めて少ないことがわかる。

日本感染症学会は、「前シーズン、インフルエンザに罹患した人は極めて少数だったため、社会全体の集団免疫が形成されていないと考えられる。そのような状況下で、海外からウイルスが持ち込まれれば大きな流行を起こす可能性もある」と指摘し、インフルエンザワクチンの積極的な接種を推奨している。今冬のインフルエンザと新型コロナ第6波との同時流行も懸念されている。

IRW社は、「本格的な流行シーズンはこれからだが、9月時点での流行は抑えられたようだ」とし、「今後も医薬品の処方という視点でインフルエンザの流行状況を捉え、いち早く伝えていく」としている。
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