AZ 卵巣がん患者向けにLINEアカウント開設 患者の不安軽減目指す
公開日時 2021/09/24 04:50
アストラゼネカは9月22日、LINEアカウント「わかる卵巣がん」を開設したと発表した。卵巣がんに関する情報をワンストップで入手できるのが特徴。LINEアカウントの活用により、適切な情報を迅速に届けることで、卵巣がん患者の治療に対する不安軽減を目指す。卵巣がんは患者数が少なく、情報量が十分ではない一方で、初期には自覚症状がほとんどなく、進行した状況で発見されることが多い。このため、同社は広く情報を周知することで、こうした状況の改善にも貢献したい考え。
アカウントは、
▽卵巣がんを知ろう、▽患者体験談、▽よくある質問—の3つのメニューで構成されており、知りたい項目を選択するだけで、簡単に情報にたどり着くことができる。「卵巣がんを知ろう」のメニューでは、原因や特徴、診断、治療法について動画も交えながら解説しているほか、質問では、患者が抱きやすい疑問についてQ&A形式で答える。また患者の体験談では、ステージや年代、家族構成などが異なる6つの体験談を紹介。ステージ3の50歳の患者は、15歳の長女が不安を抱えないように、担任や親友の母に病気を伝えた経験などをつづった。女性は、「親以外に打ち明けられる場所を用意し、子どもの応援団を作っておくことが必要だと思う」としている。特定非営利活動法人 婦人科悪性腫瘍研究機構の監修と、認定NPO法人キャンサーネットジャパンの協力を得て作成した。
同社によると、卵巣がんは発見が遅れることが多く、半数以上がステージ3以上に進行した状態で発見されるとのデータもある。同社はこのため卵巣がんが発見された時には、十分に情報を集める暇もなく早急に治療を開始しなければならないケースが多いとしている。
アストラゼネカの松尾恭司メディカル本部長は、「「わかる卵巣がん」を通じて、患者が十分な情報を得て、納得のいく治療を選択していただけることを願っている。また、患者ではない方には、卵巣がんを正しく理解していただき、気になる症状がある場合には早めに専門医に相談していただけるようになれば」とコメントを寄せている。