ジャクスタピッドとノウリアスト 「併用禁忌」から「併用注意」に改訂
公開日時 2021/09/08 04:50
厚生労働省医薬・生活衛生局は9月7日、ロミタピドメシル酸塩(一般名、製品名:ジャクスタピッド)とイストラデフィリン(同ノウリアスト)との併用について、これまでの「併用禁忌」から「併用注意」に改訂するよう指示した。
イストラデフィリンは、これまでの中程度のCYP3A阻害剤から、弱いCYP3A阻害剤とすることが妥当と判断された。これにより、ロミタピドメシル酸塩の併用禁忌の項の「中程度のCYP3A阻害剤」からイストラデフィリンを削除し、併用注意の項の「弱いCYP3A阻害剤」にイストラデフィリンを追記することになった。
添付文書の改訂指示があった医薬品は次の通り。
▽ジャクスタピッドカプセル(一般名:ロミタピドメシル酸塩、製造販売元:レコルダティ・レア・ディジーズ・ジャパン)
薬効分類:218 高脂血症用剤
指示概要:「併用禁忌」の項の「中程度のCYP3A阻害剤」から「イストラデフィリン」を削除。「併用注意」の項の「弱いCYP3A阻害剤」に「イストラデフィリン」を追記。
▽ノウリアスト錠(一般名:イストラデフィリン、製造販売元:協和キリン)
薬効分類:116 抗パーキンソン剤
指示概要:「用法・用量に関連する使用上の注意」及び「相互作用」の項の「CYP3A4」及び「CYP3A5」の記載を「CYP3A」に変更。「併用注意」の項の「CYP3Aの基質となる薬剤」に「ロミタピドメシル酸塩」を追記。
両剤の添付文書の改訂理由:米国FDAの薬物相互作用ガイドライン(Drug Development and Drug Interactions)でイストラデフィリンはCYP3A4の「Weak inhibitors」とされていることなどから、イストラデフィリンはCYP3Aの弱い阻害剤であるとすることが妥当と考えた。専門委員の意見も踏まえ、両薬剤の併用を「併用注意」とし、両薬剤の「使用上の注意」を改訂することが適切と判断した。
また、イストラデフィリンの「使用上の注意」で、イストラデフィリンがCYP3A4及びCYP3A5で代謝されること、及びロミタピドメシル酸塩の「使用上の注意」の記載等を踏まえ、「CYP3A4」及び「CYP3A5」の記載を「CYP3A」に変更することは妥当と考え、専門委員の意見も踏まえ、改訂することが適切と判断した。