医療用薬3製品 効能追加などの承認取得 ゼオマインに下肢痙縮を追加
公開日時 2021/06/24 04:50
医療用医薬品3製品が6月23日、効能追加などの承認を取得した。A型ボツリヌス毒素製剤ゼオマイン筋注用(一般名:インコボツリヌストキシンA、帝人ファーマ)に下肢痙縮の効能が追加された。
また、G-CSF製剤グラン注射液(フィルグラスチム(遺伝子組換え)、協和キリン)と遺伝子組換え型インターロイキン-2製剤イムネース注(テセロイキン(遺伝子組換え)、塩野義製薬)について、「神経芽腫に対するジヌツキシマブ(遺伝子組換え)の抗腫瘍効果の増強」の効能が追加された。ジヌツキシマブは製品名「ユニツキシン点滴静注」としてこの日に新医薬品として承認されたもの。ユニツキシンは大量化学療法後の神経芽腫の治療薬で、グラン、イムネースとの3剤併用で用いる。
承認された製品は以下の通り(カッコ内は一般名、製造販売元)。
▽ゼオマイン筋注用50単位、同筋注用100単位、同筋注用200単位(一般名:インコボツリヌストキシンA、帝人ファーマ):「下肢痙縮」を効能・効果とする新効能・新用量医薬品。再審査期間は残余期間(2028年6月28日まで)
有効成分のインコボツリヌストキシンAは、A型ボツリヌス菌により産生されるA型ボツリヌス毒素から菌由来の複合タンパク質を取り除いたもの。これにより中和抗体ができにくくなる。これまでは上肢痙縮を効能・効果としていた。
下肢痙縮は、主に脳卒中の後遺症として起こる筋緊張の増加や、伸張反射の興奮性亢進によって生じる上位運動ニューロン症候群のひとつ。下肢筋が過度に緊張することで正常歩行が難しくなることや、体幹が不安定になることで転倒の危険性が高まるなど、患者の日常生活の妨げとなる。
▽グラン注射液75、同注射液150、同注射液M300、同シリンジ75、同シリンジ150、同M300(フィルグラスチム(遺伝子組換え)、協和キリン)
▽イムネース注35(テセロイキン(遺伝子組換え)、塩野義製薬)
:両剤とも「神経芽腫に対するジヌツキシマブ(遺伝子組換え)の抗腫瘍効果の増強」を効能・効果とする新効能・新用量医薬品。両剤とも再審査期間なし。
遺伝子組換えキメラモノクローナル抗体ユニツキシン点滴静注(ジヌツキシマブ(遺伝子組換え)、大原薬品)と併用するための効能追加となる。ユニツキシンは「大量化学療法後の神経芽腫」を効能・効果とする新医薬品で、6月23日に承認された。