大型後発品 発売翌月にシェア60%超え GEとAG同時発売で垂直立ち上がりの傾向
公開日時 2021/06/15 04:52
2020年度に登場した大型の後発品の多くで、発売翌月の数量シェアが60%を超えていたことがわかった。発売3カ月目には70%を超え、調査対象薬剤のひとつの消炎鎮痛薬セレコキシブ(先発品名:セレコックス)では80%に達した。今回調査した4製品はいずれもオーソライズドジェネリック(AG)と通常のジェネリック(GE)が同じタイミングで発売している。今後、大型後発品かつAGとGEの同時発売のケースでは、この垂直立ち上がりが常態化する可能性がありそうだ。
調剤レセプトから実際の処方動向を把握・分析する医療情報総合研究所(JMIRI、読み:ジェイミリ)のデータを用いて、後発品の数量シェアを確認した。調査対象薬剤は20年6月に薬価追補収載されたセレコキシブ、高脂血症治療薬エゼチミブ(同ゼチーア)、抗認知症薬メマンチン(同メマリー)、20年12月に追補収載された疼痛薬プレガバリン(同リリカ)の4製品とした。いずれも先発品は薬価ベースでピーク時に500億円以上の売上があり、リリカは1000億円を超えた。
◎プレガバリン後発品 発売3カ月でシェア74%
後発品登場の翌月の後発品(AG+GE)の数量シェアをみるため、6月追補品では7月の後発品シェアを、12月追補品は翌年1月の後発品シェアを見てみた。その結果、セレコキシブの後発品シェアは70%(AG:12%、GE:58%)、エゼチミブは68%(同10%、58%)、メマンチンは58%(同6%、52%)、プレガバリンは66%(同19%、47%)――で、後発品登場の翌月から一気に後発品が立ち上がっていた。通常のジェネリック(GE)の立ち上がりも早く、プレガバリンを除く3剤で翌月にはシェアが50%を超えていることも確認された。
後発品登場から3か月目の後発品シェアをみるため、6月追補品では9月のデータを、12月追補品では翌年3月のデータを見てみたところ、セレコキシブは80%(同15%、65%)、エゼチミブは78%(同12%、66%)、メマンチンは75%(同8%、67%)、プレガバリンは74%(同21%、53%)――となり、4製品全てで70%超が後発品に置き換わっていた。
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