米FDA SGLT2阻害剤・フォシーガに慢性腎臓病の適応追加承認
公開日時 2021/05/10 04:49
米食品医薬品局(FDA)は4月30日、英・アストラゼネカ(AZ)のSLGT2阻害剤・Farxiga(日本製品名:フォシーガ、一般名:ダパグリフロジン)について慢性腎臓病(CKD)の適応追加を承認した。追加された適応は、疾患進行のリスクのある慢性腎臓病患者における腎機能低下、腎不全、心血管死および心不全による入院、それぞれのリスク低減。
同剤は、重症の薬剤に対する過敏性反応を持つ人や、透析治療中の人には禁忌とされている同剤を服用する糖尿病患者で重篤かつ生命を脅かすフルニエ壊疽を発症した症例が複数報告されていることを注意喚起した。また、インスリンあるいはインスリン分泌促進剤とFarxigaを併用している場合は、低血糖のリスクを低減するためにインスリンなどを低用量にすることを考慮すべきとしている。副作用は、脱水、重症の尿路感染症、性器イースト菌感染症、代謝性アシドーシスなど。
同剤は、2014年に成人における2型糖尿病患者における血糖管理改善の適応で、食事療法および運動療法への補助療法として承認されている。FDAは、同剤に対して、迅速審査および画期的新薬(BT)の指定を行っていた。
FDA医薬品評価研究センターのAliza Thompson心臓病・腎臓病部副部長は、「慢性腎臓病は重要な公衆衛生上の課題だ。しかも、疾患の進行を遅らせ、アウトカムを改善させる治療のアンメットニーズがある」として、同剤の適応追加を歓迎した。
AZのMene Pangalos上級副社長(BioPharmaceuticals R&Dは担当)は、「本日の承認は、過去20年の間で、慢性腎臓病治療における最も重要な進歩だ。我々は、Farxigaの有効性を2型糖尿病、駆出率低下の心不全、そして慢性腎臓病において示してきた。我々は、米国の数百万の患者へ治療薬を提供できることを楽しみにしている」と期待感を示した。