エーザイとMSD レンビマとキイトルーダ併用療法、進行性子宮体がんに係る適応追加を申請
公開日時 2021/04/26 04:50
エーザイとMSDは4月23日、エーザイの抗がん剤レンビマ(一般名:レンバチニブメシル酸塩)とMSDのがん免疫療法薬で抗PD-1抗体のキイトルーダ(ペムブロリズマブ(遺伝子組換え))の併用療法について、進行性子宮体がんに係る適応追加を申請したと発表した。両剤の併用療法による子宮体がんの適応は、厚労省から希少疾病用医薬品に指定されており、優先審査される。
子宮体がんの日本の罹患者数は、2020年に1万7000人以上が新たに罹患し、3000人以上が亡くなったと推定されている。子宮内膜がんは、子宮体がんにおけるもっとも発生頻度の高いがんで、9割以上を占めるとされる。生存率は診断時のステージによって大きく変わるが、転移性子宮内膜がんの5年生存率は17%と予後が悪い。
今回の申請は、少なくとも1レジメンのプラチナ製剤による前治療歴のある進行性子宮内膜がん(日本では子宮体がん)を対象とした臨床第3相試験(309/KEYNOTE-775試験)結果に基づく。同試験でレンビマとキイトルーダの併用療法は、主要評価項目の無増悪生存期間(PFS)および全生存期間(OS)、副次評価項目の奏効率(ORR)について、治験医師選択化学療法(ドキソルビシンまたはパクリタキセル)に対して統計学的に有意かつ臨床的に意義のある改善を示し、主要評価項目および副次評価項目を達成した。安全性プロファイルは、「これまでに報告されている臨床試験のものと同様だった」としている。
レンビマはエーザイ創製のマルチキナーゼ阻害薬で、日本では単剤療法で甲状腺がん、肝細胞がん、胸腺がんの適応を持つ。キイトルーダは自己の免疫力を高め、がん細胞を見つけて攻撃するのを助ける抗PD-1抗体。非小細胞肺がんなど8つの適応を持つ。