小野薬品 オプジーボで「原発不明がん」の効能追加を申請 希少疾病用医薬品に指定
公開日時 2021/04/15 04:50
小野薬品は4月14日、がん免疫療法薬の抗PD-1抗体オプジーボ点滴静注(一般名:ニボルマブ)について、「原発不明がん」の効能追加を一変申請したと発表した。厚労省から3月に、今回の効能・効果で希少疾病用医薬品に指定された。原発不明がんの80%が予後不良群。この予後不良群に対する治療は薬物療法が主体となるが、原発不明がんに対して国内外で承認された薬剤はなく、標準治療がいまだ確立されていないため、薬剤の開発が切望されている。
原発不明がんは、十分な検索にも関わらず原発巣が不明で、組織学的に転移巣と判明している悪性腫瘍と定義される。診断時に既に進行・転移している病態で、複数臓器に転移が認められる患者が全体の半数以上を占める。生存期間の中央値は6~9カ月、5年生存率は2~6%と極めて予後が悪く、生命に重大な影響がある重篤な疾患とされる。
国内患者数は推定約3000人~1万3680人。推定される原発巣に準じた特異的な治療の適応となる予後良好群と、治療法が確立されていない予後不良群に大別される。
今回の承認申請は、近畿大学病院の主導のもと、原発不明がんを対象にオプジーボを評価した医師主導治験(NivoCUP 試験)の結果に基づく。同試験では、主要評価項目である化学療法既治療例における奏効率(中央判定)は22.2%(95%信頼区間:11.2-37.1)で、信頼区間の下限値が事前に設定した閾値奏効率5%を超えたことから、同試験の主要評価項目を達成したという。治療歴を問わない全体集団における奏効率(中央判定)は21.4%(95%信頼区間:11.6-34.4)で、「治療歴を問わずオプジーボの抗腫瘍効果が示された」としている。