アステラス ADC・エンホルツマブ ベドチンを承認申請 治療歴ある進行・転移性尿路上皮がんで
公開日時 2021/03/12 04:49
アステラス製薬は3月11日、抗体薬物複合体(ADC)のエンホルツマブ ベドチン(一般名)について、治療歴のある局所進行性または転移性尿路上皮がん治療薬として日本で承認申請したと発表した。
同剤は、細胞間の接着に関連するタンパク質で、尿路上皮がんで高発現しているタンパクであるネクチン-4を標的とするADC。非臨床試験データから、がん細胞上で同剤がネクチン-4に結合して標的細胞内に取り込まれると細胞殺傷物質であるモノメチルアウリスタチンE (MMAE) が放出され、細胞増殖抑制および細胞死が生じることが示唆されている。
日本では毎年推定2万4000人以上が尿路上皮がんと診断されている。化学療法や免疫療法を実施してもがんが進行する患者に対して、現在、承認された治療薬はない。同剤が承認された場合、治療歴のある局所進行性または転移性尿路上皮がん患者に対する日本初のADCとなる。
今回の申請は、日本を含むグローバル第3相試験(EV-301試験)と、第2相試験(EV-201試験)の結果に基づく。同剤はEV-301試験で主要評価項目である全生存期間を化学療法群より有意に延長し、EV-201試験では盲検下独立中央評価による良好な客観的奏効率が確認された。