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福井県 小林化工に116日間の業務停止処分と業務改善命令を通達 法令遵守への意識欠如が主たる原因 

公開日時 2021/02/09 15:46
福井県は2月9日、睡眠導入剤混入事案を起こした小林化工に対し、116日間の業務停止処分と業務改善命令を通達した。業務停止処分の期間として過去最長。睡眠導入剤を混入した経口抗真菌剤イトラコナゾール錠50「MEEK」(ロット番号:T0EG08)を製造、出荷し、服用患者から死亡例を含む複数の健康被害を生じさせたというもの。行政処分の決定に際して福井県は、製薬企業としての「法令遵守への意識の欠如」が主たる原因と強調。経営層がこれら法令遵守を把握していながら改善策を講じなかったことが最大の問題だと断じた。このほか睡眠導入剤混入医薬品以外にも、①承認内容と異なる医薬品の製造、②二重帳簿の作成、③品質試験結果のねつ造-などの法令違反が長年にわたり行われていたことが確認されたとも指摘している。

この問題は、小林化工が製造販売する抗真菌剤イトラコナゾール錠50「MEEK」の一部ロットに製造工程で睡眠導入剤が混入され、昨年12月4日に当該製品の自主回収(クラスⅠ)を行ったことに端を発する。当該ロットを処方・調剤された患者344人に対し服用中止の連絡を行い、ロットの回収を行った。ただ、回収直後から健康被害の報告が相次ぎ、2月1日時点で221人(9日現在は239人)から報告された。これを受け、厚労省、PMDA、福井県は12月21~22日に薬機法違反の疑いで同社に立入検査を実施、1月20日までに計4回の立入検査を福井県が実施した。

◎行政処分116日は過去最長 業務改善の完了なければ再出荷は認めず

行政処分の内容は、①業務停止処分116日(2月10日~6月5日)、②業務改善命令-とし、2月9日付で実施する。第1種医薬品製造販売業の許可に係る製造販売業務の業務停止処分は、これまで最長期間だった化学及び血清療法研究所(現KMバイオロジクス)に対する110日を超える。承認事項と異なる成分、品質の医薬品および異物が混入した医薬品を製造した矢地工場は116日の業務停止処分。第2種医薬品製造販売業の許可に係る製造販売業と、清間工場は60日間(2月10日~4月10日)の業務停止処分となる。一方、業務改善命令は、薬機法および関連法令の遵守、役職員への教育、製造・販売に係る業務体制の見直し・整備などを求めた。なお、「事業再開時期については、追って提出される業務改善計画の内容を踏まえ、検討する」としており、業務改善が完了しなければ出荷再開はできないとしている。

ただ、「業務停止命令除外品目」として、福井県の了承を得た品目は、他社による製造販売および製造により安定供給に支障が無くなるまでの間に限り、業務停止命令から除外するとした。このほか安全対策業務、製造設備の維持管理業務、製造管理および品質改善に係る業務についても除外される。

◎業務改善命令 管理体制の不備明らかに 役職員の教育訓練 業務体制見直しを指示

一方、業務改善命令については、今回の行政処分の原因となった違反行為について、「経営陣を含めた責任者の責任を明確にする」よう求めた。また医薬品製造管理者ならびに製造部門および品質部門の長が製造部門および品質部門を適切に監督するとともに、「製造部門と品質部門の業務が適切かつ円滑に行われる体制」に改めることも盛り込んでいる。さらに、総括製造販売責任者についても薬機法の規定に基づき、責任者としての義務を確実に履行させるよう管理体制を整備することも命じている。関連業務を行う全ての役職員に対し、継続的に必要な教育訓練を行い、関連法令を遵守する意識を浸透させ、これら関連法令を遵守させることも明記した。





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