米メルク 新型コロナワクチン候補のV590・V591の開発中止
公開日時 2021/01/28 04:50
米メルクはこのほど、新型コロナウイルスワクチン候補のV590とV591の開発を中止すると発表した。忍容性は良好であったものの、免疫応答は自然感染による免疫応答や、他の新型コロナワクチンによる免疫応答に劣っていたという。同社は、新型コロナ治療薬として開発を進めるMK-7110とMolnupiravir(MK-4482)の開発に集中するとしている。
MK-7110は、ファーストインクラスの遺伝子組換え融合タンパク質。新たな免疫チェックポイント機構を標的とすることで、新型コロナに対する炎症反応を調節する。第3相臨床試験の中間解析では、新型コロナで入院した中等症から重症患者で死亡・呼吸不全のリスクを50%以上低下したという。同社は2020年12月に、MK-7110の製造と初期出荷を進めるため、米国政府との供給に関する合意を締結している。
一方、MK-4482は、Ridgeback Bio社と共同開発中の新規経口抗ウイルス薬。現在、第2/3相臨床試験を実施中で、入院患者だけでなく外来患者にも投与されているという。
同社は、2つの候補物質について、「臨床プログラムを進め、製造規模の拡大を図っていく」としている。