MSD 21価肺炎球菌結合型ワクチンを承認申請 「成人に特化して設計」
公開日時 2024/08/23 04:50
MSDはこのほど、21種類の肺炎球菌血清型に対応し、成人に特化して設計された21価肺炎球菌結合型ワクチン(無毒性変異ジフテリア毒素結合体)を承認申請したと発表した。
本ワクチンは、成人の侵襲性肺炎球菌感染症(IPD)の原因として多くみられる21種類(3、6A、7F、8、9N、10A、11A、12F、15A、15C、16F、17F、19A、20A、22F、23A、23B、24F、31、33F及び35B)の肺炎球菌血清型に対応。このうち8種類(15A、15C、16F、23A、23B、24F、31、35B)は、これまでに承認されている肺炎球菌ワクチンが対応していない、本ワクチン固有の血清型となる。
米国疾病予防管理センター(CDC)がまとめた2018~21年のデータによると、本ワクチンが対応する21種類の血清型は、50歳以上の成人におけるIPDの約84%、65歳以上の成人におけるIPDの約85%の原因になっている。そのうち本ワクチン固有の8種類の血清型は、50歳以上の成人におけるIPDの約27%、65歳以上の成人におけるIPDの約30%の原因になっており、本ワクチンは従来に比べてさらに広くIPDを予防することが期待できるという。
今回の承認申請は、成人を対象とした複数の海外第3相試験、国際共同第3相試験、ならびに65歳以上の日本人の成人を対象とした国内第3相試験のデータに基づく。
肺炎は日本人の死因の第5位で、肺炎で亡くなる人の97.8%は65歳以上の高齢者が占める。肺炎球菌は日常でかかる肺炎(市中肺炎)の原因菌のなかで最も多い細菌で、肺炎球菌が原因となる感染症のなかでも重篤なのがIPDとなっている。IPDは、本来、無菌である髄液または血液等から肺炎球菌が検出される感染症で、発症した成人の22.1%が亡くなり、8.7%に後遺症が残ったという報告がある。