米・バイオジェン アップルウォッチ/iPhone を活用した認知機能のデジタルバイオマーカー開発へ
公開日時 2021/01/21 04:50
米・バイオジェンはこのほど、アップル社と提携し、アップルウォッチ/iPhone を活用する認知機能のデジタルバイオマーカー開発に向けた新たなバーチャル研究を開始すると発表した。軽度認知障害(MCI)をめぐっては、初期兆候を特定するバイオマーカーが現在までに確立されておらず、早期診断・治療につながることも期待される。
同社が実施するのは、複数年にわたる観察研究で、2021年後半からスタートする予定。主な目的は、認知機能の経時的変化を観察し、MCIの初期兆候を特定するのに役立つデジタルバイオマーカーを開発することで、まずは米国で研究をスタートさせる。対象には高齢者だけでなく、若年者も含めた多様な被験者を登録するとしている。
MCIは65 歳以上の約 15~20%が罹患すると言われている。単純な物忘れと混同されるなど、認知機能の低下が医療従事者の目に留まるまで、数か月から数年かかることもあると言われている。
バイオジェンの ミシェル・ヴォナッソスCEOは、デジタルバイオマーカーの開発により早期診断や、予防・健康への貢献による医療コストの低減などにつながることに期待感を示し、「神経科学とテクノロジーの叡智を結集することで、患者さんの、そして公衆衛生への期待を大きく膨らませませる」とコメントしている。