シンバイオ トレアキシンの溶解不要の液剤「RTD製剤」を発売
公開日時 2021/01/13 04:50
シンバイオ製薬は1月12日、抗がん剤・トレアキシン(一般名:ベンダムスチン)の溶解不要の液剤となる「RTD製剤」を発売した。RTD製剤は、既存の凍結乾燥剤の「FD製剤」に比べて、手動による煩雑な溶解作業が不要で、溶解にかかる時間を短縮できる。同社は、「医療関係者の負担を大幅に低減することにより大きな付加価値を提供できる」としている。
同社の吉田文紀社長兼CEOは、「RTD製剤の発売により製品ライフサイクルの大幅な延長が可能となり、従来のFD製剤に比べ利益率の改善による事業上のメリットも大きく、RTD製剤への切替を速やかに進める」とコメントした。また、現在申請中の再発・難治性中高悪性度非ホジキンリンパ腫(r/rDLBCL)の追加適応の取得により、「事業の黒字化を早期に実現できるものと確信している」とも話した。
■10分静注で用いる急速静注製剤の「RI製剤」 21年中に申請予定
RTD製剤もFD製剤も60分の点滴静注で用いるが、現在、10分の点滴静注で用いる急速静注製剤の「RI製剤」を開発している。RI製剤は日本で安全性に関する臨床試験が最終段階にあり、同社は2021年中の承認申請を予定している。米国ではFD製剤からRI製剤に97~98%切り替わったという。
トレアキシンは殺細胞性の抗腫瘍薬で、日本では慢性リンパ性白血病などを適応としている。20年12月9日までエーザイが販売し、両者で共同販促していたが、エーザイとの契約満了に伴い12月10日以降はシンバイオが自社販売している。直近のシンバイオのMR数は62人。製品流通は、スズケン及び東邦薬品との間で医薬品の売買に関する取引基本契約を締結し、これにより同剤の全国流通はスズケングループと、東邦薬品が主導する共創未来グループの2社を総代理店として取り引きを行っている。
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