小野薬品 血液がん治療薬候補でコーディア社とライセンス契約を締結
公開日時 2020/12/16 04:49
小野薬品は12月15日、コーディア・セラピュウティックス社(本社・神奈川県藤沢市)と血液がんの治療薬候補のMALT1阻害剤「CTX-177」に関するライセンス契約を締結したことを発表した。CTX-177は、血液細胞のがん化に重要な関係があるMALT1と呼ばれるたんぱく質の阻害剤。
契約の締結で小野薬品は、全世界でCTX-177およびその関連化合物を独占的に開発、製造および商業化する権利をコーディア社から取得する。小野薬品は、契約一時金として8 億円、第1相試験開始時の開発マイルストンとして 25億円、開発の進捗および売上高に応じたマイルストンとして最大496億円をコーディア社に支払う。
また、小野薬品は、CTX-177の全世界での売上高に応じて、一桁台後半から二桁台前半のロイヤルティをコーディア社に支払うとしている。
CTX-177 は、リンパ球系の血液細胞の細胞内シグナル伝達に関与することが知られている粘膜関連リンパ組織リンパ腫転座1(Mucosa-associated lymphoid tissue lymphoma translocation protein 1、MALT1)に対する選択的な阻害剤。MALT1の活性化は、リンパ球系の血液細胞のがん化に重要であることが報告されており、CTX-177はMALT1の活性を阻害することによって、リンパ球系の血液腫瘍に対する抗腫瘍効果が期待されている。
コーディア社は、2017年11月にがん領域に特化した研究開発型バイオベンチャーとして神奈川県藤沢市の湘南ヘルスイノベーションパークに設立された。新しい作用機作を有する抗がん薬の研究と開発を行い、革新的な新薬を生み出すことを目指している。