MSD キイトルーダと化学療法との併用療法 食道がん1次治療で一変申請
公開日時 2020/12/01 04:49
MSDは11月30日、がん免疫療法薬の抗PD-1抗体・キイトルーダ(一般名:ペムブロリズマブ(遺伝子組換え))と化学療法との併用療法で、根治切除不能な進行・再発の食道がんに対する1次治療としての一変申請を行ったと発表した。PD-L1の発現有無にかかわらず、食道がんの1次治療に使用できるようにする。
キイトルーダの食道がんに係る効能・効果は現在、「がん化学療法後に増悪したPD-L1陽性の根治切除不能な進行・再発の食道扁平上皮がん」となっている。単剤で使用できるものの、▽2次治療以降▽PD-L1陽性▽食道がんは主に扁平上皮がんと腺がんに大別されるが、このうち扁平上皮がんに限る――となっている。
今回の食道がんに係る一変申請は、シスプラチン及び5-FUの化学療法2剤と併用するものの、▽1次治療▽PD-L1の発現を問わない▽食道がん(扁平上皮がん、腺がん)――に対するものとなる。
食道がんは食道の内側(粘膜)に発生し、日本人の90%以上が扁平上皮がんとなっている。最も進行した浸潤・遠隔転移の食道がんの5年生存率は約12%と低く、新たな治療手段が求められている。国内の推定患者数は約2万3000人で、年間約1万2000人が亡くなっていると推定されている。