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20-21年のインフルエンザ 10月に患者漸増も例年の12分の1 JMIRI調べ

公開日時 2020/11/18 04:51
インフルエンザと新型コロナの同時流行が懸念されているなか、10月単月のインフルエンザ治療薬の処方患者数は例年の約12分の1にとどまることがわかった。9月は例年の約60分の1だった(記事はこちら)。10月に入ってインフルエンザの患者数は漸増しているものの、20-21年シーズンのインフルエンザは今のところ低水準にあるといえそうだ。

これは、調剤レセプトベースで実際の処方動向を把握・分析する医療情報総合研究所(通称:JMIRI、読み:ジェイミリ)の調べによるもの。年間3000万枚の調剤レセプトを収集・分析している。




分析対象のインフルエンザ治療薬は、院外調剤薬局で調剤可能なオセルタミビル、ザナミビル、ラニナミビル、バロキサビル――となる。

20年10月のインフルエンザ治療薬の処方患者数を、15年~19年の10月の平均処方患者数と比較したところ約12分の1にとどまった。インフルエンザの流行開始が早かった前年同月と比較すると、20年10月は約30分の1の水準となる。

新型コロナとインフルエンザの感染予防策がほぼ同じなか、11月に入ってから新型コロナの第3波が来ているとの見方が広がっている。このためJMIRIは、「11月に入り新型コロナウイルスの新規感染者数が増えてきており、他の感染症患者も増加する可能性がある」とし、「新型コロナとインフルエンザの同時流行を意識した行動が必要かもしれない」と注意を呼び掛けている。

■10月に小児科患者数増加 9月から15ポイント増


JMIRIはこの日、大幅に患者数が減少していた小児科で、10月に患者数の増加がみられたことも発表した。小児科患者数は、緊急事態宣言下にあった5月に前年同月比で47%にまで減った。同宣言解除後の6月に同60%を超えたものの、9月までの4か月間は60%台で推移していた。それが、10月に同82%に大きく回復し、9月から15ポイント伸びた。

小児科での処方薬剤を確認すると、10月は9月比で去痰剤や鎮咳剤などの呼吸器官用薬が74%増となったほか、抗生物質製剤は58%増となっていた。JMIRIは、「風邪の時に処方される薬剤が9月と比較して大きく増加した。例年ほどの患者数ではないが、10月に患者が戻ってきた」としている。

なお、JMIRIのデータは院外の調剤レセプトをベースにしており、インフルエンザワクチンの接種のための来院は含まれない。
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