PhRMAが声明 新型コロナのワクチン開発9社共同ステートメントを支持
公開日時 2020/09/11 04:51
米国研究製薬工業協会(PhRMA)は9月8日(現地時間)、新型コロナウイルス感染症のワクチン開発を進める欧米製薬企業9社が、「安全性と接種する個人の健康を最優先する」との共同ステートメントを発表したことを受け(本誌既報、
関連記事)、これを支持する内容の同協会Stephen J Uble理事長兼CEOの声明を発表した。
声明では、アストラゼネカ、グラクソ・スミスクライン(GSK)、サノフィ、ファイザーなど9社が初のCOVID-19ワクチン開発に患者の安全と健康を最優先しているとのステートメントを発表したことに改めて言及。バイオ・医薬品業界がCOVID-19に打ち勝てることに自信を持っていることの現れの一環と位置づけた。
◎「審査プロセスの透明性を信じている」
さらに、製薬業界スポンサー(臨床試験実施者)は、「厳格かつ大規模な臨床試験からのデータに基づいているので、そのデータをFDAや世界中の国々の規制機関に提出する前にいかなる新規ワクチンもその安全性・有効性に自信を持っている」と述べた。そのうえで、「FDAおよびワクチン諮問委員会によるワクチン候補物質の審査プロセスの透明性を信じている」とワクチン承認審査における行政の中立性・透明性に触れ、政治的に左右されない立場であることを示唆した。
また、同声明では、ワクチン開発の現状について、「ワクチンの研究、開発のために、製薬業界は、政府機関やアカデミアおよび他の機関と協力し、多数の方法を取っている」と説明。「バイオ医薬品企業の数十年にわたる新技術や研究への投資と既存のワクチンが、新型コロナウイルス感染症のパンデミックに横着することなく直ちに対応できるような準備をさせてきた。我々は科学が勝つと信じている」と結んだ。
PhRMAが、今回、声明を発表した背景には、9社が声明を出したのと同様、ワクチン開発が科学に基づいていることを念頭に、政治からの干渉をできるだけ回避することと、政治家がみだりにワクチン供給に触れ、過剰な期待感から国民を混乱させることを回避する狙いがあるものと見られている。