シンバイオ 抗がん剤トレアキシン、全国流通をスズケンと共創未来に委託
公開日時 2020/09/08 04:51
シンバイオ製薬は9月7日、抗がん剤・トレアキシン点滴静注用(一般名:ベンダムスチン)の12月10日からの自社販売に向けて、スズケン及び東邦薬品との間で、医薬品の売買に関する取引基本契約を締結したと発表した。これにより同剤の全国流通は、スズケングループと、東邦薬品が主導する共創未来グループの2社を総代理店として取り引きを行う。物流はスズケングループのエス・ディ・コラボが担う。
シンバイオは本誌取材に、スズケンと共創未来に流通業務を委託することにした理由について、血液がん領域の製品流通の経験とノウハウが豊富なことを挙げた。現在開発中の再発・難治性高リスク骨髄異形成症候群(MDS)治療薬・リゴセルチブナトリウムなどの流通もスズケンと共創未来に委託するが、承認取得・上市時の市場環境によっては「(委託先を)増やす可能性はある」としている。
■MR51人で情報活動へ
トレアキシンは、2008年8月にエーザイとの間で締結した事業提携契約により、エーザイが販売し、エーザイ及びシンバイオで共同販促している。この提携契約は20年12月9日に満了を迎え、12月10日以降はシンバイオが自社販売する。
シンバイオはこれまで、「トレアキシンマネジャー」を配置してエーザイの活動をサポートしてきた。トレアキシンの自社販売の開始が近づいてきたこともあり、このほど51人のMRを配置して、エーザイとの承継作業を開始した。また、各地域のニーズに合わせた企画立案を実施・展開する役目を担う専門性の高い「ヘマトロジー・エキスパート」を新たに配置する。
吉田文紀CEO兼社長は、「2005年の創業以来の念願であった自社営業組織による事業展開が21年には実現できる」とした上で、「承認申請中のRTD(トレアキシン液剤)の承認、及びトレアキシンのr/rDLBCL(再発・難治性中高悪性度非ホジキンリンパ腫)の適応拡大の承認を得ることができれば、製品売上高100億円と黒字化の達成は射程距離内に入ってくる」とコメントした。
トレアキシンは殺細胞性の抗腫瘍薬で、現在、慢性リンパ性白血病などを適応としている。