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厚労省 発熱患者は「かかりつけ医」にまずは電話相談を 新型コロナとインフルエンザ同時流行に備え

公開日時 2020/09/07 04:52
新型コロナウイルス感染症とインフルエンザの同時流行を見据え、厚生労働省は9月4日、発熱症状があり、新型コロナウイルス感染症が疑われる場合、まずはかかりつけ医に電話相談することを周知徹底する。今秋以降のインフルエンザ流行期には発熱などを訴える患者が増加すると予想されるが、こうした症状は新型コロナ感染症との鑑別も難しい。このため、地域の医療提供体制の整備が急務となってきた。発熱患者などが直接医療機関を受診することも想定されるなかで、かかりつけ医への受診時間や方法を調整したうえで受診してもらう体制を構築することで、感染拡大を抑えこみたい考えだ。厚労省の新型コロナウイルス感染症対策本部は同日付で事務連絡を発出し、都道府県ごとに患者の受け入れ体制の整備を遅くとも10月中に行うよう求めた。

◎検査できない医療機関は紹介へ カギ握る地域医療機関での情報共有

新たに構築する医療提供体制について同省は、「かかりつけ医」を主体とすることを想定する。発熱患者による電話相談は、どこの医療機関でも受け付け、診療や検査が可能な医療機関(診療・検査医療機関(仮称))について、自院を含めて案内する。自院で診療や検査ができない場合は、可能な医療機関を紹介する。かかりつけ医がおらず、どの医療機関に相談していいか迷う地域住民に向けて、帰国者・接触者相談センターから改称する「受診・相談センター」に相談する道筋も残した。

重要になるのが、地域の医療機関間で、新型コロナの診察や検査が可能な医療機関の情報を共有することだ。都道府県は、地域医師会や病院協団体と連携し、医療機関名に加え、対応時間を共有するネットワークを構築。地域の医療機関や、受診・相談センターで随時、情報共有し、発熱患者等から相談を受けた際に、適切な医療機関を速やかに案内できる体制を整備する。地域医師会と協議、合意したケースについては、診療・検査医療機関を自治体のホームページなどで公表する。ただ、地域によっては、発熱患者がひとつの医療機関に集中してしまうリスクがあるほか、誹謗中傷などが起きるリスクもあるため、合意を前提とする。

なお、重症化しやすい基礎疾患を有する患者が来院するがんセンターや透析医療機関、産科医療機関など、構造的に動線を確保するのが難しく、発熱患者の診療や検査を積極的に行わない医療機関も必要に応じて地域住民に周知する。

◎感染抑制へ「電話・オンライン診療での診療体制も検討」求める

目指すのは、「地域の実情に応じて、多くの医療機関で発熱患者等を相談・診療・検査できる体制を整備する」ことだ。現在は、発熱などの症状を訴える場合は、保健所などに設置される帰国者・接触者相談センターに電話相談し、指定された帰国者・接触者外来などを受診。必要な場合には検査を受けることが原則。保健所で一定の判断が入るため、対応の遅れが指摘されていた。

季節性インフルエンザの検査件数は1シーズンで約2000~3000万件(2013~16年度)とされている。インフルエンザの初期症状(発熱や倦怠感など)を訴える患者の多くが地域の診療所など身近な医療機関を受診する。症状から鑑別診断ができないことが指摘されるなかで、感染の拡大を抑制する観点からも、初診を担当する地域の医療機関がかかりつけ機能発揮が重要になる。事務連絡では、都道府県に対し、「地域でプライマリケアを担っている診療所等との調整を行い、 多くの医療機関で 相談・診療・検査を担う体制を構築していくことが重要となる」として、必要に応じて市区町村単位や二次医療圏単位での協議を行い、体制整備を進めることを求めた。

診療に際しては、「発熱患者等を診察できる体制を更に整備していくため、電話・オンライン診療によって発熱患者等を診療する体制も検討すること」も求めた。
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