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田辺三菱 うつ病治療用アプリ、国内初の医療機器承認めざして開発 25年度までに実用化

公開日時 2020/09/02 04:50
田辺三菱製薬は9月1日、京都大学と国立精神・神経医療研究センター(NCNP)が開発したうつ病治療用スマートフォンアプリ「こころアプリ」について、国内における独占的な開発・販売権を取得したと発表した。田辺三菱は同アプリの医療機器製造販売承認の取得を目指して開発する。承認取得となれば、国内初のうつ病の治療用アプリとなる可能性がある。2025年度までの実用化を目指す。

同アプリは、精神療法のひとつである認知行動療法に基づく治療用アプリ。認知行動療法は、人間の気分や行動が認知のあり方(ものの考え方や受け取り方)の影響を受けることから認知の偏りを修正し、問題解決を手助けすることによって精神疾患を治療する構造化された精神療法のこと。

これまでにうつ病患者を対象とした医師主導臨床研究(FLATT試験)で、抗うつ薬との併用により、薬剤単独群と比較して、うつ病の症状を改善することが確認されたという。同アプリは娯楽性や視覚的な工夫をこらしており、薬物療法と併用して使用することで、抗うつ効果をさらに高めることが期待されている。

今回の契約に基づき田辺三菱は、医療機器としての承認を取得するために必要な臨床試験を実施する。同試験は個人情報を安全に管理するため、富士通の健康医療情報管理基盤「Healthcare Personal service Platform」を利用してシステムを構築する。同社は、「従来の低分子や抗体に加えて、デジタル技術を活用した新たなモダリティの開発にも積極的に取り組む」とし、「医薬品とデジタル技術や新規テクノロジーを融合させたイノベーションを通して、患者さんの治療の機会を拡げ、アンメットメディカルニーズに応えていく」としている。
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