大日本住友 新規機序の2型糖尿病薬イメグリミンを国内申請
公開日時 2020/08/03 04:49
大日本住友製薬は7月30日、2型糖尿病を予定適応とするイメグリミン塩酸塩(一般名)を日本で承認申請したと発表した。ミトコンドリアの機能を改善する新規機序の薬剤で、2型糖尿病の主な成因であるインスリン分泌不全とインスリン抵抗性の両方の改善が期待されている。申請に用いた臨床試験では、単剤療法のほか、既存の経口血糖降下薬やインスリン製剤との併用療法のいずれにおいても有効性、安全性、忍容性が確認されたとしている。
同剤はテトラヒドロトリアジン系化合物に分類される新規化学物質で、ファースト・イン・クラス薬となる可能性がある。ミトコンドリアの機能を改善するとの独自のメカニズムで、2型糖尿病治療において重要な役割を担うすい臓、筋肉、肝臓の3つの器官に作用する。グルコース濃度依存的なインスリン分泌を促進するとともに、インスリン抵抗性を改善、糖新生を抑制することで血糖降下作用を示すと考えられている。
また、糖尿病によって引き起こされる細小血管・大血管障害の予防につながる血管内皮機能および拡張機能の改善作用や、膵臓β細胞の保護作用を有する可能性も示唆されているという。
同社は、「イメグリミンは2型糖尿病治療における単剤および併用による血糖降下療法において、幅広く使用される治療薬となる可能性がある」としている。