JTと鳥居 リン吸着薬リオナ錠、鉄欠乏性貧血の効能追加を申請
公開日時 2020/05/18 04:50
日本たばこ産業(JT)と鳥居薬品は5月15日、リン吸着薬のリオナ錠(一般名:クエン酸第二鉄水和物)について、JTが鉄欠乏性貧血の効能を追加する一変申請を行ったと発表した。申請は同日付け。同剤は現在、高リン血症治療薬として使用され、JTが製造販売元で、鳥居が販売及び情報提供活動をしている。
鉄欠乏性貧血は、鉄の欠乏によりヘモグロビン産生が低下して起こる貧血のこと。鉄欠乏性貧血は、世界で最も頻度の高い貧血で、動悸、息切れなどの貧血症状のほか、異食症や易疲労感などが認められ、患者のQOLを低下させる。治療の際には、鉄欠乏をきたす原因疾患を治療するとともに鉄剤の投与を行う。
今回の申請は、国内で実施した鉄欠乏性貧血患者を対象としたフェーズ3試験の結果などに基づく。同試験のうち、クエン酸第一鉄ナトリウム錠(製品名:フェロミア錠)を対照とした比較試験では、有効性の主要評価項目である投与7週間後のヘモグロビン値の変化量について、リオナ群の対照薬群に対する非劣性が確認された。安全性は、リオナ群の良好な忍容性が確認されたという。なお、安全性評価項目のうち、悪心及び嘔吐に関する有害事象の発現率を評価した結果、それぞれ、リオナ群は13.0%及び3.2%、対照薬群は32.7%及び15.2%だった。