米FDA 初の甲状腺眼症治療薬Tepezzaを承認
公開日時 2020/01/29 04:50
米食品医薬品局(FDA)は1月21日、アイルランドHorizon Therapeutics Irland DAC社のモノクローナル抗体製剤Tepezza(teprotumumab-trbw)について甲状腺眼症の適応で承認した。
同剤の適応は、甲状腺機能亢進症による眼症状である甲状腺眼症で、同適応を取得した初のFDA承認薬となった。FDAは、同剤に対して、優先審査、迅速審査、画期的新薬(BT)および希少疾病薬の指定を行った。併せて、希少疾病薬でもFDAが安全性および有効性の臨床試験に対して助成を行うFDA希少製品助成プログラムとしての指定も行っていた。
臨床試験でよくみられた副作用は、筋肉痙攣、悪心、脱毛、下痢、疲労、高血糖、難聴、味覚障害、頭痛など。
Horizon社のTimothy Walbert 会長、社長兼CEOは、「Tepezzaの承認は、Horizon初のBLA(生物製剤製造承認)における早期の承認を記録した。これは、治療法が少ししかないか、全くない消耗性疾患に対する新薬を開発しようとするイノベーションに集中したバイオファーマ企業としての我々の進化の途上における重要な歩みである」とコメントした。なお、Horizon社は、同剤の承認が、処方せん薬ユーザー法(PDUFA)の承認目標日2020年3月8日より2か月近く早くなったとしている。
FDA医薬品評価研究センター(CDER)のWiley Chambers移植および眼科製品部次長は、「手術に代わる選択肢を提供することで、患者にとって複数の侵襲的な手術を不要とさせる可能性がある」と期待感を示した。さらに、「希少疾患の治療法は様々な理由でなかなか手に入れられない。本日の承認は甲状腺眼症のような希少疾患に対する有効な治療法の承認における重要な進歩を象徴している」とFDAが希少疾病薬開発へ力点を置いていることを説明した。
甲状腺眼症は、眼球背後の筋肉や脂肪が炎症を起こし、眼球を前に押し出し、眼球突出を呈する疾患。