2020年度予算 3億5800万ユーロ EMA運営委
公開日時 2020/01/20 04:50
欧州医薬品庁(EMA)の2019年12月の運営委員会が12月20日に開催され、EMAの20年度予算を対前年比3.3%増の3億5800万ユーロとすることなどを決めた。
運営委員会では、予算額を決めたほか、以下の課題が報告・討議された。
▽EUでの医薬品供給不測の事態に備えて、情報共有と窓口の一本化を目指したEU SPOC(single point of contact: 窓口1本化)ネットワークシステムについてのパイロットプログラムの結果報告が行われた。報告によると、パイロットプログラムでは、SPOCによる情報交換の機能と有用性を確認した。EU全体で52件の医薬品不足の通知が出され、24か国が医薬品不足についての情報共有にSPOCを活用した。2020年もSPOCについて同様の活用が期待されている。
▽すでに稼働しているEUの臨床試験情報システム(CTIS)についての監査・評価が実施されたことが報告された。監査・評価は、指定した特定の製品についてEU加盟規制当局のほか、欧州委員会(EC)関係者およびスポンサー(製薬企業)代表者らが行った。CTISの監査・評価について必要があればさらに改善を行っていく。
▽一部サルタン系高脂血症薬に発がん性物質ニトロサミンが混入した問題について、EU規制当局は関係企業に同物質が医薬品などに混入されないようリスク評価を求めたが、この問題ではEU関係当局はニトロサミン混入を防止するようにさらに情報収集など協力を続けることを確認した。
EMAは、ロンドンからアムステルダムの移転に当たり、18年から19年にかけて多数の従業員が退職し、現在775人となったことを明らかにした。この数字は17年最大人数の約25%減といわれている。
今回の運営委員会は、20年1月竣工予定のアムステルダム・ザイダス地区のEMA新庁舎が間に合わないため、アムステルダム市内の仮庁舎で行われた。