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米FDA 鎌状赤血球症治療薬Adakveoを承認

公開日時 2019/12/18 04:49
米食品医薬品局(FDA)は11月15日、ノバルティス社の鎌状赤血球症(SCD)治療薬Adakveo(クリザンリズマブ)を承認した。適応は、16歳以上の青少年および成人における血液循環が鎌状赤血球細胞に阻害され、SCDでは普通に見られる痛みの合併症である頻回の血管閉塞クライシス(血管閉塞による疼痛発作)の減少である。

SCDは、遺伝的に赤血球細胞の形が三日月あるいは鎌のように変形しているため、赤血球の流れが血管内で制限され、体組織への酸素供給が妨げられることによって痛みや臓器障害を来す。また、同疾患は血管閉塞クライシスを招く重篤な慢性炎症に特徴づけられる。

米疾病管理予防センター(CDC)によると、米国でのSCD患者は約10万人という。同疾患はアフリカ系米国人に発症しやすく、365人の新生児のうち1人はSCDといわれる。

同剤は、抗Pセレクチン抗体と呼ばれるクラスの薬剤である。Pセレクチンは、細胞接着分子であるセレクチンファミリーのひとつであり、血管閉塞を招来するとみられる多細胞相互作用に中心的役割を果たしている。

FDA医薬品評価研究センター(CDER)のRichard Pazdur腫瘍研究拠点センター長兼腫瘍疾患部長は、「Adakveoは、細胞接着に大きな役割を果たし血管閉塞クライシスを導いている物質であるセレクチンを特異的に阻害する、SCDに対する初の標的療法として承認された」と述べた。そのうえで、「血管閉塞クライシスは激しい痛みで、SCD患者の救急外来や入院のほとんどの理由となっている」と指摘、同剤の市場導入により、これら救急外来などが減少することに期待感を示した。

ノバルティスのSusanne Schaffertオンコロジー部門長は、「Adakveoの承認は、SCD患者と家族に予想もできない痛みの負担を強いる遺伝性疾患の治療に新時代を開くもの」と述べたうえで、「我々が、SCD患者から血管閉塞クライシスについて聞いた話は衝撃的なものだ。我々は、SCDコミュニティとともに同疾患薬剤について再考し、かつ、血管閉塞クライシスの回数が減少させることに望みを与えることができて嬉しい」と話した。

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