マルホ がん化学療法に伴う末梢神経障害薬「SP-04」の国内販売権獲得 ソレイジアから
公開日時 2019/12/11 04:50
マルホとソレイジア・ファーマは12月10日、ソレイジアが開発しているがん化学療法に伴う末梢神経障害用薬「SP-04」(一般名:calmangafodipir)について、マルホが日本の独占的販売権を取得するライセンス契約を締結したと発表した。ソレイジアは日本を含む国際共同フェーズ3試験を実施中。日本で承認を取得した場合、ソレイジアがマルホに独占的に製品を供給し、マルホが販売する。
マルホはソレイジアに契約一時金として10億円を支払い、今後の開発及び販売の進捗に応じたマイルストンとして最大総額約180億円を支払う。
SP-04は、スウェーデンのPled Pharma AB社が創製したもの。ソレイジアは日本、中国、韓国、台湾、香港、マカオでの独占的な開発販売権を獲得。現在、Pled 社と共同で日米欧アジアで、抗がん剤オキサリプラチンを含む併用化学療法mFOLFOX6を受ける大腸がん患者を対象とする国際共同フェーズ3試験を進めている。
SP-04は、細胞内に発生した活性酸素を分解する酵素であるスーパーオキシドディスムターゼ類似物質。抗がん剤などの薬物誘発性の酸化ストレスに起因する損傷から神経細胞を保護することで、末梢神経障害の発現を抑制するものと考えられている。がん化学療法では、悪心・嘔吐や口内炎などの副作用がよく知られるが、末梢神経障害も重大な副作用のひとつに挙げられる。
■マルホ ソレイジア株式の9.7%取得
両社は今後の緊密な関係維持を図るため、マルホがソレイジア株式を引き受ける資本提携も行う。ソレイジアは第三者割当により新株1132万4000株を発行し、マルホは全てを引き受ける。1株当たり発行価額は19年12月9日のソレイジア株式の終値である151円とし、マルホは17億円強を投じる。これにより、マルホの持ち株比率は9.7%となり、筆頭株主の伊藤忠商事に次ぐ2位の大株主となる。