MR認定センター MR認定制度の抜本改革案を解説 実務教育は「倫理」と「安全管理」を新設
公開日時 2019/10/17 03:50
MR認定センターの友石和登教育研修部長は10月16日、2019年度教育研修管理者認定更新講習会で「MR認定制度の抜本改革案」を解説した。改革版の根幹は、①導入教育カリキュラム、②継続教育カリキュラム、③補完教育のあり方-からなる。導入教育、継続教育ともに履修主義から習得主義への転換を図るため、時間管理は撤廃する。一方、導入教育、継続教育ともにカリキュラムは基礎教育(MRテキスト)と実務教育に分け、実務教育については、「倫理教育」と「安全管理教育」を設けることとした。
◎時間管理撤廃「実施時間は報告を求めて平均値を示す」
導入教育カリキュラムの改定のうち時間管理の撤廃について友石部長は、「必須時間や標準時間は設定しないが、実施時間は報告を求めて平均値を示す」とした。その理由としては、新任教育研修管理者は目安がないと計画が立てられないためとしている。一方、実務教育に新たに倫理教育と安全管理教育を設ける理由について「初学者からしっかり倫理観の醸成を意識させ、またファーマコビジランスなどの安全管理教育を強化する狙いがある」と説明した。
そのほか実務教育の「技能・実地」については「技能教育」と「実地教育」に分ける。導入教育計画の申請と実施報告では、時間管理の代わりに実務教育全体の「一般目標(GIO)」と科目ごとの「到達目標(SBO)」を設ける。なお、計画申請の際には、「一般目標(GIO)」と「到達目標(SBO)」を入力し、実務報告の際には、確認した成果を入力するとしている。
◎継続教育「MR学習ポータルサイト(仮称)」の活用も
継続教育カリキュラムの改定も同様に時間管理を撤廃する。なお「年度ごとの継続教育修了認定」がMR認定証の更新要件という考え方は変更しない。さらに、個人学習は全体の50%未満という規定についても撤廃する。ただし、実施時間は報告を求めることとし、平均値を示す。
カリキュラムのうち基礎教育については、原則個人学習とする。またこれを補足する目的でMR認定センターは「MR学習ポータルサイト(仮称)」の活用を考えているとした。さらに認定証更新前に成果の確認としてドリルを設定し、これを更新要件とする方針も示した。
実務教育については、新たに「倫理教育」と「安全管理教育」という科目を設けた。このうち倫理教育については、「医療に関わる者としてふさわしい態度・行動」と「製薬企業に属する者の遵守事項」を設定する。継続教育計画の申請と実施報告では、実務教育全体の「一般目標(GIO)」を設定する。さらに倫理教育、安全管理教育、技能教育は「到達目標(SBO)」を設定する。なお、計画申請の際はGIOとSBOを入力。実施報告はこれらの成果確認をもって修了認定とするが、「倫理教育」の到達目標(SBO)は「同行訪問」によって確認するとした。
◎「抜本改革意見交換会(仮称)」を11月に東京、大阪で開催
この日は近澤洋平事務局長が事業構造改革への取り組みについて報告した。この中で近澤事務局長は、継続教育用資材モニターの募集を行う考えを明らかにした。資材は2020年2月開催のセンターミーティングで公開する。2019年12月にモニターを募集し、資材の近い方等について意見交換の場を設ける方針。
また近澤事務局長は、「抜本改革意見交換会(仮称)」を開催する方針も明示した。制度改革の背景や、制度変更の方向性を知りたいなど、センターと直接対話する機会を設ける。日程は東京が11月8日、11日、大阪が11月14日。いずれも17時~19時を予定している。詳細については、センター発信文書で案内することも報告された。