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MR認定センター 改正MR認定要綱案「自律型で生涯学習」 実務と基礎2階建て 基礎試験は受験資格撤廃

公開日時 2024/08/26 04:53
MR認定センターは8月23日、MR自ら生涯学習に取り組むことを柱とした改正MR認定要綱案を公表した。これまでの企業主体による教育体系から、MRの自主的な学びと企業教育を組み合わせた“2階建て”方式に変更。MR認定証交付の要件の一つとなる「MR基礎試験」は受験資格を設けず、誰でも受験できる形に門戸を開いた。同センターの近澤洋平専務理事は東京都内で開いた説明会で、「MRを取り巻く環境が変化する中で、自ら生涯学習に取り組む方向にギアチェンジしていくことが改定のベース。命に直結する医薬品の情報を扱うMRとして自覚と責任を持ってほしい」と狙いを語った。要綱案は25年5月の理事会決議や同6月の評議員会承認を経て、同7月の公布を目指す。

◎近澤専務理事「MR不要とは言わせない」 自覚と責任持ち「誇りに思える職業に」

2026年度からの導入を目指す制度改定のコンセプトは、「MRが医薬品の適正使用に資する者として自覚を持ち、責任を果たすことで、誇りに思える職業にする」。1997年のMR認定制度創設から四半世紀が経ち、DXやAIなどICTの急速な浸透や薬物療法の高度化・専門家・個別医療の実現などMRを取り巻く環境は急速に変化。新型コロナ禍を経てさらに加速し、終身雇用から人材流動化の時代を迎え、働き方も大きく変化した。

こうした時代背景もあり、MR認定制度もより個々人が主体的に、生涯を通じて学ぶシステムを目指した。近澤専務理事は、「医薬品の適正使用はこれまで以上に重要になってきている中、もうMRが不要とは言わせない。そのことをMR自身が証明していくべきだ」と檄を飛ばした。

◎認定証の交付要件はMR基礎試験合格と実務教育の修了認定 「MR経験6か月」は撤廃

教育研修における改定では、これまで企業主体で全て行っていた基礎教育と実務教育を切り離した2階建てに変更。基礎教育は「基礎知識を自ら学び、習得・維持することが目的に個人が行う学習」と位置付けた。新たに設けるMR基礎試験の合格証と、従来の企業が実施する実務教育の修了認定を得ることでMR認定証の交付を受けることができる。現行の「MR経験6か月」は交付要件からなくした。また、毎年度の個人学習を行うことで合格証や認定証は5年ごとに更新が可能としている。

26年度から始まるMR基礎試験は、受験資格は設けず、希望者はだれでも受験できる。CBT方式で、全国のテストセンターで実施。受験科目は従来の「医薬品情報」「疾病と治療」に加え、新たに「医薬品産業と倫理・法規・制度」を追加した。現行の「MR総論」から変更し、MRに特化したものではなく医薬品産業に従事する者が共通して理解すべき内容とした。MR以外の職務の資質を担保するなど、将来的に各企業が独自にMR基礎試験を活用する可能性も視野に入れた。

初年度となる26年のMR基礎試験は6~7月と11月の年2回、それぞれ9日間の日程で、全国約280カ所のテストセンターを会場に実施予定。詳細な試験要項は25年12月に公表するとしている。
 
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