塩野義製薬 緑膿菌感染症治療薬として開発中の「COT-143」を英AMR Centreに導出
公開日時 2019/07/24 03:50
塩野義製薬は7月22日、緑膿菌感染症治療薬として開発中のモノクローナル抗体「COT-143」を、耐性菌対策活動を推進する官民連携事業体の英AMR Centreに導出したと発表した。様々な基金や医療機関のネットワークを持つAMR Centreが手掛けることで、開発を加速できると判断した。2020年に臨床試験を開始する。両者は将来的な販売契約について引き続き協議する。
緑膿菌感染症に使用できる治療薬は限られ、薬剤耐性も問題になっている。その中で塩野義が創製した「COT-143」は、緑膿菌の病原性に関与するPcrVに結合し、宿主細胞への毒素の注入を阻害し、病原性を軽減することが期待される。非臨床試験では、多剤耐性菌を含む緑膿菌感染症の治療、発症予防に有効であることが示唆されたとしている。AMR Centreは現在、20 年に実施予定のフェーズ1とフェーズ2についてRoyal Liverpool大学病院と検討を進めているという。
AMR Centre は今回、「COT-143」について研究、開発、製造に関するグローバルでの独占的な権利を取得した。