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フォシーガ 1型糖尿病への適応拡大に期待も血糖ケトアシドーシスに注意を 順天堂大・綿田教授

公開日時 2019/07/12 03:51
順天堂大学大学院医学研究科代謝内分泌内科学講座の綿田裕孝教授は7月11日、アストラゼネカ主催のメディアセミナーで、1型糖尿病の適応拡大を取得したフォシーガ錠(一般名:ダパグリフロジンプロピレングリコール水和物)について、「インスリンと併用することで、低血糖リスクを上げずに血糖変動を抑え、より良い血糖コントロールが可能になった」と述べた。同剤の登場により、「1型糖尿病患者も、今まで以上に健康な人と変わらない日常生活が送ることができるように期待したい」と意義を強調した。一方で、血糖ケトアシドーシスの発生リスクを指摘し、投与する患者の選定が必要だと訴えた。

同剤は、2型糖尿病治療薬としてすでに販売されているSGLT2阻害薬。19年3月に、同社が小野薬品とともに、1型糖尿病に対する効能・効果、用法・用量の追加承認を取得した。

同剤の国際共同第3相臨床試験では、血糖コントロールが不十分な1型糖尿病患者813例を対象に、長期血糖コントロールの指標であるHbA1cのベースラインからの平均変化量を24週時で比較。その結果、インスリンとプラセボの投与群では0.03%であったのに対し、インスリンとフォシーガを投与した群では、いずれもマイナスとなった。フォシーガ5mg投与群では-0.34%、10mg投与群では―0.39%だった。

一方、52週時の有害事象を確認した国内第3相試験では、糖尿病ケトアシドーシスの発生割合が、プラセボ群では1.1%だったのに対し、フォシーガ5mg群では4%、10mg群では3.5%に上っていた。

このため綿田教授は、「患者ごとにリスクとベネフィットを適確に把握して薬剤を投与する必要がある」と訴えた。そのうえで投与に適した患者像については、「太っており、インスリンが多く、自己マネジメントできる患者」と指摘した。

同剤をめぐっては4月、医薬品リスク管理計画書が改訂されている。1型糖尿病の適応追加と、主要心血管系イベント発現頻度の抑制を検討する試験(DECLARE試験)の終了に伴う対応で、同日のセミナーでも報告された。このなかで同社の循環器・代謝/消化器事業本部の矢部尚登事業本部長は、1型糖尿病患者を対象にした臨床試験結果の追記などを行ったと報告。このうちケトアシドーシスについては、「症状や対処法、患者教育の実施について理解を促す必要があると判断した」として、患者や医療従事者向けの資材を追加するなどの改訂を行ったと説明した。


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