流改懇・川上WT 適切な仕切価設定に向けた合意形成を 消費増税改定睨む
公開日時 2019/06/12 03:50
厚生労働省の「医療用医薬品の流通改善に関する懇談会」(流改懇)の川上ワーキングチーム(WT)は6月11日、2019年10月に予定される消費増税改定を睨み、適切な仕切価設定に向けて医薬品卸、製薬企業間で合意形成する必要があるとの認識で一致した。消費増税を見据え、各社が戦略として仕切価を修正してきた。こうした経緯を踏まえ、価格交渉の本格化を目前に控えるなかで、適切な仕切価設定に向けて改めて医薬品卸、製薬業界で合意形成を図る狙いがある。
一次売差マイナスが医薬品流通の大きな課題となるなかで、厚労省は2018年1月、「医療用医薬品の流通改善に向けて流通関係者が遵守すべきガイドライン」を発出、同年4月から適用した。10月には、より具体的にリベート・アローアンスの考え方を示した事務連絡「適切な仕切価・割戻し等の設定について」を発出し、川上取引の流通改善に乗り出した。
実際、消費増税改定を控えるなかで、4月以降、マーケットサイズの大きな市場を中心に仕切価の変更を行った企業も少なからずあった。これまで高仕切価を維持した結果、医薬品卸の流通機能に見合わない取引実態となったケースもあった。
ここで改めて、医薬品卸と製薬企業に流通改善ガイドライン、事務連絡の周知を図ることで、一次売差マイナスを改善し、流通改善につなげたい考え。
◎医薬品卸・保険薬局 全国一律ベンチマークなど不適切取引排除へ共通認識 川下WT
同日は、医薬品卸と保険薬局関係者による「川下WT」、メーカーと卸関係者による「後発医薬品流通WT」も開催された。川下WTでは、全国一律のベンチマークを用いた価格交渉や、前年度の総値引率をベースにした総価交渉など、不適切な取引の排除に向けて共通認識を図った。
「後発医薬品流通WT」では、抗菌薬の供給不足など供給問題が起きるなかで、安定供給が話題に上り、医薬品流通の観点からの議論もなされた。
議論の内容は、6月28日に開催される「医療用医薬品の流通の改善に関する懇談会」に報告される。