製薬協 中外製薬が副会長会社に 伍藤理事長「総力戦」の体制構築へ
公開日時 2019/05/24 03:50
日本製薬工業協会(製薬協)は5月23日の総会で、新たに中外製薬の小坂達朗社長を副会長に加える役員人事を決めた。副会長会社は1社増え、7社となる。このほか、小野薬品の相良暁社長が新たに常任理事に就任したほか、ノバルティスファーマの綱場一成社長が理事に復帰した。総会後に開かれた会見で、製薬協の伍藤忠春理事長は、製薬業界を取り巻く環境変化が激しいなかで、「総力戦」で戦うために業界の能力や叡智を結集する必要性を強調した。
会長は、中山讓治氏(第一三共会長)が続投し、副会長が岡田安史氏(エーザイ代表執行役)、安川健司氏(アステラス製薬社長)手代木功氏(塩野義製薬社長)、多田正世氏(大日本住友製薬会長)、岩﨑真人氏(武田薬品取締役)、三津家正之氏(田辺三菱製薬社長)、小坂達朗氏(中外製薬社長)の7人体制となる。
会見で伍藤理事長は、「中外製薬は、トップメーカーのなかでも、バイオなどの路線を歩んでいる。製薬協の活動能力を高めていこうということ」と説明した。常任理事となった小野薬品も抗がん剤・オプジーボを製品群に有する。「最近、オプジーボで脚光を浴び、企業業績がのびている。色々な活動の中でユニークな大型製品を持っている」として、様々な特報をもつ顔触れが揃うことの意義を強調した。
◎ノバルティスファーマは理事に復帰
今回理事に復帰したノバルティスファーマは、ARB・ディオバンの臨床研究不正が発覚した2013年に会員資格を停止されていたが、17年に会員として復帰していた。伍藤理事長は、「臨床研究事件があり業界に大きな打撃を与えた」と振り返った。会員会社復帰の際に、不正時の対応などを検討し、一定の体制がとれたことなどを確認したことを説明。会員会社復帰から2年が経過し、「さらに一定の期間がたった」ため、理事に復帰したと説明した。