湘南アイパークと国がん プラットフォーム構築で覚書締結 双方向連携で創薬にアクセル
公開日時 2019/05/14 03:50
武田薬品の湘南研究所を開放して設立した湘南ヘルスイノベーションパーク(湘南アイパーク)と国立がん研究センター先端医療開発センター(NCC-EPOC)は5月13日、「がん創薬支援プラットフォーム」の設立に向けて協議・検討する旨の覚書を締結したと発表した。NCC-EPOCの有する細胞株を共有化。湘南アイパークに入居する製薬企業やバイオベンチャーの技術を融合させる“双方向の連携”を実現することで、臨床ニーズに合致した革新的新薬の迅速な開発につなげたい考え。
革新的新薬は、アカデミア由来のシーズから創出されるケースも多い。実用化に向けて、国内でもオープンイノベーションの取り組みが起きている。一方で、従来のアカデミアのシーズに着目した産学連携では、企業戦略と合致せずに投資を確保できず、製品化につながらないケースもあった。また、開発段階で医療現場のニーズが反映されていないとの指摘もあった。
プラットフォームでは、こうした課題解消に向けた双方向の連携を提唱。アカデミアや製薬企業、創薬ベンチャーがお互いのノウハウや知識を持ちあったプラットフォームを構築することで、“死の谷”を乗り越え、早期の実用化を視野に入れる。具体的には、シーズの開発・同定から第1相臨床試験開始までの早期臨床開発におけるトランスレーショナルリサーチを産学連携で行う考え。まずは、NCC-EPOCの有する細胞株の共有からはじめ、今後共有範囲の協議を進める。
日本発のエコシステム構築を目指す湘南アイパークは、希少疾患を重点領域の一つに据えており、すでにオンコロジー領域に取り組むバイオベンチャーも多数入居している。がん創薬支援プラットフォームは、19年8月末を目途に設立する考え。