英NICE ImfinziをNSCLC適応でCDFでの使用推奨
公開日時 2019/04/05 03:50
英国立医療技術評価機構(NICE)は3月28日、アストラゼネカ社の免疫チェックポイント阻害剤であるPD-L1阻害剤Imfinzi(デュルバルマブ)について、NHS(国民保健サービス)における抗がん剤基金(Cancer Drug Fund)を通しての使用を推奨する内容の最終ガイダンス案を発表した。
推奨内容は、切除不能の局所進行非小細胞肺がん(NSCLC)で、プラチナ製剤をベースとした化学療法施行後の患者である。同剤の用法用量は、点滴静注10mg/kg を2週ごとに60分かけて注入。投与期間は、病勢進行がみられるときまで、または忍容できない毒性の発現があるときまでか、あるいは最大12か月。
NICEは、同剤について、NHSでの通常使用を検討、臨床試験におけるデュルバルマブの服用患者では27%から40%の患者において無病生存率が5年になるなど一定の効果を示したため、NHSでの費用対効果があるとしたものの臨床エビデンスに高レベルの不確実性があると指摘、最も妥当な費用対効果比(ICER)がNHSでの通常使用のリソースを使用できる閾値には収まらないと結論付け、CDFでの使用を推奨した。
NICEのMeindert Boysen医療技術評価センター(CHTE)長は、「CDFは、最も有望ながん治療薬へのより早いアクセスを与えるものなので、我々は、この心躍るような新たなオプションが利用できることを喜んでいる。今後、デュルバルマブの有効性についてのデータがさらに出てくることを心待ちにしている」と当該企業から追加データが提出され、NHSでの通常使用可能となることへ期待感をにじませた。
薬価は、120㎎/2.4ml バイアルにつき592.00ポンド(85,840円、1ポンド=145円換算)、500㎎/10 ml バイアルにつき2,466ポンド(357,570円、1ポンド=145円換算)(英国ナショナル・フォーミュラリー電子版:2019年2月)。
アストラゼネカ社は、Imfinziを割引価格でCDFに提供することにNHSと合意しているが、割引価格は非公開。