協和キリン 希望退職者を募集 グローバル体制向け構造改革、人材入れ替え
公開日時 2019/02/06 03:52
協和発酵キリンは2月5日、希望退職者の募集を行うと発表した。これまで事業再構築を進めてきた生産本部を除き、4月1日時点で45歳以上かつ勤続5年以上の社員を対象に、募集人員を定めずに行う。戦略的に進めている海外事業の強化に加え、国内市場環境がさらに厳しくなることを見据え、構造改革を進めるため、全社的な事業の効率化、人材の入れ替えを図る。
同社が希望退職者を募集するのは初めて。全従業員の4割弱の約1500人が対象になる。3月11日~28日まで募集し、6月30日に退職する。退職者には通常の退職金に加え割増退職金を支給する。希望者には再就職を支援する。適正人員規模は想定していないという。また、希望退職者募集に伴い、新卒や中途などの採用計画と連動させる予定はないとしている。
希望退職者の募集理由について宮本昌志社長はこの日の会見で、国内事業の見通しや、製品ポートフォリオの変化、MRを取り巻く環境変化によるものではないと否定し、今後のグローバル体制への転換と国内事業基盤強化の構築のためだと強調した。現MR体制は「適正だ」と述べた。
宮本社長は、希望退職のほか、同日発表した子会社の協和発酵バイオのキリンホールディングスへの譲渡による医薬事業集中化も踏まえ、「今の戦略を進めることで我々は成長していけると考えている。しかし、これを成し遂げるには今までのやり方ではダメ。グローバルに対応できる全社的な構造改革をしなければならない。日本の市場環境は厳しいが、成長とはいかないまでも、少なくとも維持して、しっかり事業基盤をつくらなければならない。日本市場の重要性は変わらない。競争を勝ち抜くための構造をつくらないといけない。今のままではだめだという危機感だ」と説明した。求める社員像については「自律的に変革に挑む社員」を挙げた。会見終了後「人材の新陳代謝」も念頭にあることを明かした。