2026年予測 慢性疼痛薬市場 19年に1500億円超え、成長率は鈍化の見通し
公開日時 2019/02/05 03:52
富士経済はこのほど、慢性疼痛治療薬の市場規模が2019年に1500億円を超えるものの、26年に向けて成長率は鈍化するとの市場予測をまとめた。高齢化の進展に伴い患者数の増加は見込まれるが、慢性疼痛薬トラムセット(一般名:トラマドール塩酸塩/アセトアミノフェン)に18年12月に後発品が参入し、26年までにリリカ(同プレガバリン)やサインバルタ(同デュロキセチン)といった慢性疼痛の主要製品にも後発品が登場することで、市場の伸びは抑えられるとしている。
文末の「関連ファイル」に、疼痛薬と、このうちの慢性疼痛薬の16年~26年の市場規模の推移をまとめた資料を掲載しました(2月5日のみ無料公開、その後はプレミア会員限定コンテンツになります)。
調査方法は同社専門調査員による参入企業や関連企業などへのヒアリングや文献調査などをもとにまとめたもの。調査期間は18年7月~10月。
慢性疼痛薬の17年の市場規模は1412億円、前年比13%増、18年見込は同1498億円、6%増と成長していた。しかし、19年~23年は毎年0~1%台の成長率にとどまると予測。24年と25年は2~3%程度で伸び、25年には1650億円近くに達するが、26年は一転、マイナス2%弱の成長率になるとしている。26年の市場規模は1613億円と予測した。
なお、市場予測に19年1月に承認された慢性疼痛の新薬タリージェ(同ミロガバリンベシル酸塩)も含まれる。タリージェはリリカと同じ作用機序の医薬品。ただ、年間売上が薬価ベースで900億円程度あるリリカなどの特許切れ時期は明かしていない。
■疼痛薬市場は縮小続く
慢性疼痛薬だけでなく、▽NSAIDs・解熱鎮痛薬▽ステロイド系消炎鎮痛薬▽外用消炎鎮痛薬▽麻酔用剤・筋弛緩剤・回復剤▽片頭痛治療薬――で構成する「疼痛薬」の市場は、市場縮小が続くと分析した。
疼痛薬の市場規模は17年の4779億円をピークに縮小し、26年には4286億円になると予測した。26年の市場規模は17年比で10%の縮小となる。同社は、「慢性疼痛治療薬では新薬の発売が予定されているが、そのほかの品目では後発品への切り替えが進むことから縮小する」としている。