KMバイオロジクスとアステラス ヒト用ワクチンと血漿分画製剤の契約満了、7月末で
公開日時 2019/01/23 03:51
KMバイオロジクスとアステラス製薬は1月22日、KMバイオロジクスが製造販売し、アステラスが販売及び情報提供・収集活動しているヒト用ワクチン9品目と血漿分画製剤7品目の計16品目の販売提携契約が7月31日付で満了し、契約更新しないと発表した。アステラスが持つ販売権をKMバイオロジクスに移管する。
KMバイオロジクスはMeiji Seikaファルマ、日本血液製剤機構(以下、JB)それぞれとの契約に基づき、ヒト用ワクチンは4月以降順次、Meiji Seikaファルマが、血漿分画製剤は8月1日からJBが、それぞれ販売及び情報提供・収集活動を行う。ヒト用ワクチンはアステラスの在庫がなくなり次第、対象製品を順次、販売移管していく。7月末までにすべて移管する予定という。
主な対象製品は、ヒト用ワクチンがインフルエンザHAワクチン「KMB」、クアトロバック皮下注シリンジ、エンセバック皮下注用など。血漿分画製剤がボルヒール組織接着用、コンファクトF注射用、ノバクトM静注用など。対象16製品の17年度売上は仕切価ベースで計約240億円。
■アステラス「ワクチン事業から撤退するわけではない」
KMバイオロジクスの前身の化学及血清療法研究所(化血研)とアステラスは1980年にアルブミン製剤で提携して以来、38年間協業してきた。契約はこれまで自動更新してきたという。今回、更新しなかった理由は、「協議内容は非開示」(アステラス広報部)として明かしていない。ただ、アステラスとしては、「ワクチン事業から撤退するわけではなく、重要な事業のひとつと位置付けている」(同)とのこと。現在、日本でインフルエンザHAワクチン「生研」を手掛けているほか、花粉症に関するワクチンが国内フェーズ2にあるなどしている。