ロート 再生医療推進で「チーフメディカルオフィサー」新設
公開日時 2019/01/15 03:50
ロート製薬は1月11日、再生医療事業などで医学的見地から意思決定などに携わる「チーフメディカルオフィサー」(CMO 最高医学責任者)を新設したと発表した。CMOには、医師として臨床経験があり、現在同社の執行役員で研究開発本部トランスレーショナル担当部長の久道勝也氏を11日付で任命した。同社は、希少性・難治性疾患を対象に細胞医療の早期実用化を事業戦略の1つにしており、最先端の科学や医学的見地からの判断も取り入れて再生医療事業を推進することにした。
同社は、CMOについて「医学的専門性に基づく高度の判断を担う。特に再生医療等製品の研究開発や供給には、最先端の科学的発展を踏まえた高度な臨床的見地から経営判断や意思決定に寄与することが求められる」としている。
久道氏はロートに2014年に入社した。1993年に獨協医科大学医学部を卒業後、順天堂大学病院皮膚科、米ジョンホプキンス大学皮膚科客員助教授、虎ノ門病院皮膚科などでの経験のほか、ヤンセンファーマの研究開発部、アラガンのメディカルアフェアーズ本部長と企業での経験も持つ。
ロートは2013年に「再生医療研究企画部」を新設、脂肪幹細胞に着目した再生医療等製品の研究開発を進めている。18年には、肝硬変を対象に臨床開発をしていた再生医療等製品候補 「ADR-001」の日本での独占的開発・販売に関するライセンス契約を塩野義製薬と締結、ロートが製品を供給し、塩野義が開発を進めることになった。そのほか同社の公表資料によると開発パイプラインには、重症心不全、腎疾患、重症下肢虚血、肺線維症、骨関節疾患を対象にした候補品がある。