抗てんかん薬マイスタンと入眠薬マイスリー 注意喚起後も取り違え28件
公開日時 2018/10/24 03:50
大日本住友製薬の抗てんかん薬マイスタン(一般名:クロバザム)とアステラス製薬の入眠薬マイスリー(一般名:ゾルピデム酒石酸塩)の取り違えが、2012年6月の注意喚起後も18年9月20日時点で28件(日本医療機能評価機構まとめ)発生している事態を受け、両社は10月23日、医療施設に取り違え防止対策を講じるよう文書で注意喚起を始めた。
取り違えたケースでは、マイスリーを処方するためオーダーシステムに「マイス」と入力し、表示された候補リストの中から「マイスタン」を選択し処方した例がある。両社は、薬効、販売名を今一度確認するよう呼びかけるとともに、処方オーダーシステムを使用の場合はアラートを表示させるなどの薬剤の選択ミス防止策の検討を求めた。販売名の前に薬効を表示させたり、選択後も「抗てんかん薬ですが、よろしいですか」など確認画面を表示をしたりする対策例を示した。
また、既に防止策を実施されている施設でも、職員の異動や非常勤職員との情報共有不足など、その対策が十分に把握されていないことによるミスも発生しているとして、院内での対策の周知を求めた。
処方監査、交付時・配薬時の確認で取り違えを防げたケースもあるとして、▽患者へのインタビューにより、どのような疾患で受診したか確認▽処方せんに記載された処方科で処方される薬剤であるかの確認▽併用薬、病名などの情報を利用し、前回の処方歴および薬歴との照合――といった対策を挙げた。